八王子見て歩記/サクラ保存林/4月中旬-1

多摩森林科学園のサクラ保存林/4月中旬-1
第1話:「一重も八重も枝垂も満開」
高尾駅前の枝垂桜〜第2樹木園〜森の管理室〜彼岸通り
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一度目は3月末に見に行った「多摩森林科学園」の桜。事前の気象庁の桜開花予想では3月25日と発表されていましたが、実際にはまだ早かったようで、一重桜がチラホラと咲きはじめた段階でした。科学園のスタッフの方のお話しでは「八重は4月中旬〜下旬ですよ」とのこと。日を改めて4月16日に再度行ってきました。前回歩いたのは下道の「柳沢林道」でしたが、園路を変えて高台を通っていく「彼岸通り」を選んでみました。今度こそ満開の桜園の中を歩きたい!ちなみに入園料は、桜の季節である4月だけ400円(子供150円)に上がります。他の月は100円お安い300円(子供50円)。3・4月は無休です。(クリックで拡大)
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高尾駅前の枝垂桜

前回撮り忘れていた高尾駅前の枝垂桜です。甲州街道の交差点角に立つこの桜は、「多摩森林科学園」の八重桜が今どれくらい咲いているかの良い目安になります。
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今年はもう満開のようですね。(クリックで拡大)
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森の科学館前

「森の科学館」前に植栽されている「はるか」の原木、女優綾瀬はるかさんが名付け親の八重桜は、3月末にはツボミがほころび始めたところでしたが、4月中旬ともなればもう満開。花びらは薄紅色で、花の中心とガクが濃い紅色の可憐な花を咲かせていました。(クリックで拡大)
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科学館前の広場に売店が2店舗出ていました。ひとつは地元高尾の和菓子屋「萬盛堂」さん。いちご大福200円、豆大福(つぶあん)150円、草もち(つぶあん)150円、さくらもち(さくらあん)150円、さくらもち(こしあん)150円、だんご(2本入り)160円・(3本入り)240円、山菜おこわ400円、お茶1本100円。どこかで見た和菓子だと思ったら、高尾梅郷梅まつりで、木下沢梅林に出店していた和菓子屋さんでした。
※ご許可を得て写真を撮らせていただきました。(クリックで拡大)
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もうひとつは障害のある方の作業所「かてかてショップ」の手作り焼き菓子屋さん。シフォンケーキ250円、パウンドケーキ160円、レモンクッキー280円、きなこごまボール400円、スノーボール400円、甘夏ピールサブレ160円、ミルクキャラメルクッキー160円、抹茶クッキー160円、ココアアーモンドクッキー160円、ミルクティークッキー160円、ひまわりクッキー160円、クッキー袋詰め450円とリーズナブルなお値段。一周回って帰りにはほとんど売り切れていました。
※ご許可を得て写真を撮らせていただきました。ちなみに「かてかて」とは、八王子周辺の方言でまぜごはんを「かてめし」と呼ぶところから名付けたそうです。障害のない人もある人もまぜまぜの社会をつくりましょうという願いが込められています。(クリックで拡大)
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そして前回撮り忘れた飲み物自販機(2基)の品揃えです。缶コーヒーなどの甘い飲み物より、のどの乾きを癒すお茶やミネラルウォーター中心の品揃えでした。(2019年4月16日現在)
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第2樹木園〜森のかんり室

「サクラ保存林」へはどの園路を通っても行けますが、前回は下道の「柳沢林道」、今回は高台の「彼岸通り」コースを選びました。桜の季節だけあって、この日の科学園はたくさんの観光客で賑わっていました。最近テレビ番組で取り上げられた影響でしょうね。
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前回はツボミしか付けていなかった一重桜が、今回は満開で出迎えてくれました。(クリックで拡大)
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「柳沢林道」の「第2樹木園」外れにあるのが「森のかんり室」です。
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5番の案内図で道を選びましょう。ピンク色に塗られたゾーンが「さくら保存林」です。ここはすべての園路の分岐点にあたるところ。左に進むと「夫婦坂」と「釣舟草通り」。直進は「柳沢林道」、高台に上がると「彼岸通り」と「第3樹木園」です。案内図の前にスタッフの方がいて相談にのってくれます。歩きやすい平らな道を選ぶなら前回歩いた「柳沢林道」がお薦めです。(クリックで拡大)
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彼岸通りへの上り階段

「森のかんり室」を過ぎるとすぐに斜面を登る階段があります。高台の「彼岸通り」へは赤い矢印のところを曲がります。
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目印は58番標識です。
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長い階段が延々続くので、健脚の方向きかもしれませんね。
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階段を上がるのは大変ですが、高台の園路なので眺望がみごとです。歩いていたご婦人にお聞きしたら、「京都の吉野は桜を遠目に見る場所ですが、ここは近景で桜の花を、遠景で桜の山を、両方見られて素晴らしい!」とおっしゃっていました。下の園路が「柳沢林道」。3月末に歩いた道です。(クリックで拡大)
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彼岸通りの桜

「彼岸通り」の斜面に咲く桜は目の前で花を観賞することができます。苦労して階段を上る価値がある園路でした。花が咲いていた桜だけピックアップしてご紹介しましょう。まずは、北海道松前で育種された品種「従二八重桜」。淡いピンク色で花びらにシワがある美しい桜です。(クリックで拡大)
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1968年に京都の佐野園から導入されたサトザクラ「手弱女(たおやめ」。サトザクラの栽培品種。京都府の平野神社にあったもので、江戸時代から栽培されていたと考えられます。京都の佐野藤右衛門によって1927年に増殖され広まりました。花は淡紅色で大輪八重咲き。名前の手弱女はしとやかで優美な女性を表わし、益荒男に対応する言葉です。花期は4月上旬〜中旬。(クリックで拡大)
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1968年に京都の佐野園から導入されたサトザクラ「兼六園熊谷」。サトザクラの栽培品種「長州緋桜」で明治時代の荒川堤にあったもの。江戸時代から栽培されていました。花は紅紫色、大輪八重咲きです。花期は4月上旬〜中旬。(クリックで拡大)
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1968年に京都の佐野園から導入されたサトザクラの栽培品種「佐野の鬱金(うこん)」。緑色の花が咲く「御衣黄」と並んで、黄色い花が咲く非常に珍しい桜です。戦争中に空襲で焼失したり、日本の気候に合わなかったりで、ほとんどの原木を消失してしまい、日本国内に現存する鬱金桜は全部で27本しか確認されていないそうです。「多摩森林科学園」で見つけられたのはこの1本だけ。花期は4月中旬〜下旬。(クリックで拡大)
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1967年に京都府の佐野園から導入されたヤマザクラ「御心桜(ごしんざくら)」。まだ三分咲きといったところですが、ピンクのツボミが可愛くて、まるでひな人形の花飾りのよう。(クリックで拡大)
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1966年に神代植物公園から導入されたサトザクラ「神代の新墨染」。(クリックで拡大)
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1982年に盛岡市の本誓寺から導入された枝垂大臭桜「本誓寺枝垂」。ヤマザクラとエドヒガンの種間雑種の栽培品種で、花は一重咲き。花期は4月上旬〜中旬。ちょっとピンボケです。(クリックで拡大)
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1967年に京都の佐野園から導入されたサトザクラ「祇王寺祇女桜(ぎおうじ ぎじょざくら)」。(クリックで拡大)
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1968年に三島市の遺伝学研究所から導入された「三島の飴玉桜」。飴玉桜は川崎哲也が神奈川県真鶴町の真鶴半島から見つけた桜で、花は白色一重咲き。豆桜のように下向きに咲く桜です。花期は4月上旬〜中旬。(クリックで拡大)
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秋田県の煙山薫朗氏が由来の「平塚白匂」。名前に「匂」が付く桜は良い香りがするそうです。(クリックで拡大)
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1969年に福島県の伊藤正一氏より導入したサトザクラ「伊藤の白帯」。(クリックで拡大)
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1994年に三島市の遺伝学研究所から導入されたサトザクラ「三島の水晶桜」。花がまとまって手鞠のように咲いていました。(クリックで拡大)
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小輪・八重咲きで淡紅色の「八重紅枝垂」。花色が濃く八重咲きの美しい枝垂桜で、明治時代に元仙台市長、遠藤庸治が京都の平安神宮に献上したこともあるといわれています。花期は4月中旬。(クリックで拡大)
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サトザクラの栽培品種「大沢桜」。原木は京都市左京区の大覚寺にありましたが、現在は残されていません。京都の佐野藤右衛門によって、1940年に増殖され広まりました。花は淡紅色で大輪八重咲き。花期は4月上旬〜中旬。(クリックで拡大)
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1994年に三島市の遺伝学研究所から導入されたサトザクラ「衣通姫(そとおりひめ)」。エドヒガンとオオシマザクラの交雑で生まれた栽培品種です。(クリックで拡大)
※染井吉野とオオシマザクラの交雑という説もありますが、「多摩森林科学園」の表記に従いました。
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ヤマザクラの変種「筑紫山桜」。西九州から南九州に分布しており、花や葉、ツボミがヤマザクラより大型です。花はふつう白色で大輪一重咲き。花の中心とガクが濃い紅色なのは、「森の科学館」横にあった「はるか」に似ています。(クリックで拡大)
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1967年に京都植物園から導入されたサトザクラ「京都の衣笠」。(クリックで拡大)
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1967年に京都植物園から導入されたサトザクラ「京都の糸括(いとくくり)」。(クリックで拡大)
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大輪八重桜「松前花染衣(まつまえはなぞめい)」。北海道松前町の浅利政俊氏が作成した桜で、花見時の衣装である花染衣(ハナゾメゴロモ)にちなみ、この名が付けられました。(クリックで拡大)
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日本に伝来した栽培品種「駒繋(こまつなぎ)」。白い花同士が折り重なるよう咲き競っていました。 花期は4月中旬。
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サトザクラ麒麟「七沢の猩々(しょうじょう)」。明治時代の荒川堤にあったもので、江戸時代から栽培されていました。花は濃紅紫色で大輪八重咲き。花期は4月中旬〜下旬。(クリックで拡大)
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彼岸通りの桜

「彼岸通り」はここで終点です。階段を下りて「柳沢林道」に戻ります。左下に見えるのが「柳沢林道」、右の道は「第3樹木園」へ通じています。
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中央の階段を下りていきましょう。
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次回は「柳沢林道」を歩いて「山の上あずまや」を目指します。

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「多摩森林科学園」園内はアルコール類は禁止で、喫煙所も1か所だけです。3月末に来た時は「森の科学館」左裏手でしたが、4月は右横の裏手に移動していました。愛煙家の方は肩身が狭くなる一方のようです。
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取材協力:多摩森林科学園、かてかてショップ、和菓子処 萬盛堂(八王子市高尾町1618)TEL. 042-661-0114

多摩森林科学園のサクラ保存林/4月中旬(4話)
第1話:「一重も八重も枝垂も満開」高尾駅前の枝垂桜〜第2樹木園〜森の管理室〜彼岸通り(当記事)
第2話:「ピンクと白の桜雲、里桜園」柳沢林道〜遠見通り〜里桜園〜山の上あずまや
第3話:「桜の園の中心へ」昭和林道〜見返り通り〜関山ベンチ〜釣鐘草通り〜第2樹木園〜森の科学館裏手
第4話:「多摩森林科学園の御衣黄」彼岸通り・見返り通り

多摩森林科学園のサクラ保存林/3月末(3話)
第1話:「高尾の桜はまだ咲きはじめ」森の科学館〜第2樹木園〜森の管理室〜柳沢林道
第2話:「大きな桜の咲く高台」柳沢林道〜遠見通り〜山の上あずまや
第3話:「貴い方の衣色、御衣黄」昭和林道〜見返り通り〜関山ベンチ〜仲通り

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by u-t-r | 2019-04-30 16:00 | 八王子見て歩記

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「直接ご本人に会ってお話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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