八王子の公園/水辺巡り

八王子の公園-第18話-4
水辺のある公園を巡る
片倉つどいの森公園/長池公園/小山内裏公園/六本杉公園/龍神淵
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山はあるが海と湖のない八王子。浅川(多摩川)に流れ込む湧水の豊富さの割に、川を除けば水辺が少ない土地柄です。国土交通省と環境省によると、湖、池、沼の違いは、水深と植生だそうですよ。

【湖】四面を陸地でかこまれて中に水をたたえたもの。池・沼などより大きく中央部にヨシなどの沿岸植物の侵入を許さない深度(5~10 メートル以上)を持つもの。深く、岸には植物が生えているが、中央の深いところには植物がないもの
【沼】湖より浅く、深いところにも植物が生えているもの。一般に、深さ五メートル以下で底は泥ぶかく、クロモ・フサモなどの沈水沿岸植物が生えている湖沼をいう。湖とは厳密には区別されていない。
【池】地面にできたくぼみに水のたまったところ。ふつう、湖沼(こしょう)より小さいもの。人工的(じんこうてき)に作られたもの。

まとめると、湖と沼は天然のもの、池は人工的に作られたもの。水深が深いと湖、浅いと沼というわけですね。池だったら探せばあるはず。ということで、水辺のある八王子市内の公園や林道をご紹介しましょう。

片倉つどいの森公園/片倉町

片倉つどいの森公園の最寄り駅は、JR横浜線で一番新しい駅、八王子みなみ野駅。できて10年経たない新しい公園で、園内最深部からは片倉公園がすぐ近く。隣合わせといってもいい双子の公園です。園内は「つどいの森」や芝生広場がある高台と、「つどいの池(調整池)」と「森のステージ」のある低地の高低2エリアに別れています。緑豊かな園路を散策するだけでも楽しいし、広々した芝生広場ではバーベキューがOK。かまどや炊事場などの設備、食材の販売はありませんが、持ち込み自由で楽しむことが出来ます。下が芝生なので直火はだめでしょうね。
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芝生広場に面して里山の雑木林が再現された「つどいの森」があります。森の中を吹き抜ける風が涼しい。
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「つどいの池」のまわりは深い木立にぐるりと囲まれて、まるで自然にできた池のよう。「森のステージ」と池の間は、安全のためフェンスを挟んでいます。この池は大雨の時などに一時的に水を溜めておく施設=調整池なんです。
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「つどいの池」の全景です。手前の階段状の場所が「森のステージ」。コンサートが開催されることもあるみたいですよ。(クリックで拡大)
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長池公園/別所

長池、とんぼ池、築池、姿池。園内に池が4つある長池公園へは南大沢駅から歩いていきました。公園のテーマは「里山文化の継承と創造」。「雑木林トレイル」で里山の森歩きを経験する、サンクチュアリで保護されている野鳥のさえずりを楽しむなど、自然と親しめる公園です。最初の池は公園の名前にもなっている長池。浄瑠璃姫の悲しい伝説を今に伝える場所でもありました。
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「とんぼ池」は「里山のいえ」の奥、水車小屋の裏手にあります。残念ながら立ち入ることはできませんでした。水車自体も老朽化のため平成29年(2017年)に撤去されたそうです。軸だけになっちゃってますね。さびしい。
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「築池」は自然の池をそのまま公園の中に取り入れた天然の池です。水深も6メートルあるし正確には沼と呼ぶべきなんでしょうね。たとえ水が緑で濁っていても天然ものは雰囲気が違います。(クリックで拡大)
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「築池」と堰堤で区切られた「姿池」。ちなみに「姿池」の名は、美しい「長池見附橋」の姿を鏡のように映すところから付けられたそうです。橋の前身は、大正2年(1913年)9月に東京四ッ谷駅直上に竣工した上路式鋼製アーチ橋「四谷見附橋」です。平成3年(1991年)に長池公園に移築復元され「長池見附橋」と名付けられました。(クリックで拡大)
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小山内裏公園/南大沢

小山内裏公園は八王子市と町田市にまたがる約46万m2の広い公園です。北部に「大田切池」があって、池の中に木が生えているという、不思議な景色を見ることができます。この時は池の写真だけ撮って帰りました。この年の秋に再度訪れました。(クリックで拡大)
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六本杉公園/子安町

八王子駅北口から徒歩約10分の六本杉公園。街中にある小さな公園ですが、「東京の名湧水57選」に選ばれた八王子市内5か所のうちのひとつです。ちなみに5か所とは叶谷榎池(叶谷町)、子安神社(中野山王町)、六本杉公園(子安町)、片倉城跡公園(片倉町)、小宮公園(暁町)。この池の水すべてが園内から湧き出る湧水で満たされています。(クリックで拡大)
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最大湧水量は201リットル/分というからすごい。1日(24時間)で単純計算すると約289トンもの水量です。
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龍神淵/上恩方町

豊玉姫が祀られている上恩方町の龍蔵神社は雨乞いと安産の神様として有名です。雨乞祈願が行われるのが醍醐林道の龍神淵。林道といっても車道はちゃんと舗装されており、歩く分には問題ありません。道の脇を流れる水はこんなにきれい。まるで箱庭のような景色です。
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醍醐川にはかつて林道から下へ下りる道があったそうですが、現在は階段が撤去されたため降りられません。木立の間から崖下にある龍神渕がかすかに見えました。雨乞のしかたは、土地の水を龍神淵へ運んで流し、次に龍神淵の水を竹筒にいただいてきて龍蔵神社にお参りした後に土地へ運んで流せば雨が降るというものだったそう。(クリックで拡大)
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毎年3月に梅まつりが開催される高尾梅郷(裏高尾)も水辺を楽しめる場所です。おすすめは蛇滝口近くの湧水。高尾山参りの修験者の宿泊所の横にある湧き水は観光客が飲めるようにコップが置かれています。梅まつりの時に飲むのが毎年楽しみ。
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公園巡り
第1話:「公園のおもしろ遊具巡り」
第2話:「里山の雑木林を巡る」
第3話:「アドベンチャー体験ができる場所」
第4話:「水辺のある公園を巡る」(当記事)
第5話:「八王子八湧水を巡る」

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by u-t-r | 2019-03-26 16:00 | 八王子の公園

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「現地で直接お話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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