八王子周辺エリア/東京都埋蔵文化財センター展示ホール-2

展示ホール(後編)
常設展示:奈良時代〜鎌倉時代〜江戸時代〜体験コーナー
東京都埋蔵文化財センター/展示ホール

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東京都埋蔵文化財センター2階展示ホール。展示は自然採取型の生活だった縄文時代からはじまり、弥生時代には大陸から稲作文化が伝わってきます。北大谷古墳で今に残る古墳時代を経て、いよいよ奈良時代です。展示ルームの外には、古代日本人の生活を実際に見て触って確かめる体験コーナーがあります。豊富な資料で歴史をたどった後で実物や復元品に接することができるのです。

奈良時代

和銅3年(710年)、飛鳥の藤原京から奈良の平城京に都が遷され、本格的な律令国家が建設されました。武蔵国の国府・国分寺が近隣に設置されたこともあり、多摩丘陵での瓦や須恵器などの生産が活発になります。その際、丘陵の豊富な粘土と燃料としての木材資源がさかんに利用されました。
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No.342遺跡(八王子市南大沢)、No.446遺跡(八王子市東中野 堀之内)、No.513遺跡(八王子市椚田町 館町)などからは、瓦や須恵器を焼いた窯跡が発見されています。また、No.107遺跡(八王子市松木)からは、「官」の字の焼印が押された木皿が出土したことから、役所との関連性がうかがえます。写真は、No.769遺跡(多摩市落合)から出土した奈良時代の須恵器高台杯。茨城県新治地域からの搬入品です。
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No.107遺跡(八王子市松木)、No.339遺跡(町田市小山)では、平成元年(1989年)から平成2年(1990年)にかけての調査で水場遺構か河道部の水路で木製品の完形品や未製品が約1,000点出土しました。特にNo.107遺跡で出土した木製品には、白木の皿・椀・盤・蓋・蒸篭・桶・曲げ物・木槽・ザルなどの容器類や、櫛・弓・鞍・建築材などが出土しており、日常生活で使用されたさまざまな木製品がみられます。
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平安時代〜鎌倉時代

丘陵の村では鉄の武器や馬具の生産が活発になり、武蔵国府の衰退に伴い自立化への途を歩みはじめます。こうした村々が統合されて、手工業や牧などを営む富豪層が現われます。やがて、かれらは「つわもの」と呼ばれる武士団に成長します。
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12〜13世紀には、「末法思想」の流行により、多摩の富豪層は競って領地内に経典を納めた経塚を築き、そこを聖地としました。自らの権力を誇示するように、No.513(八王子市椚田町 館町)遺跡の経塚、落合経塚(No.650遺跡)が見晴らしのよい丘陵頂部から発見されています。(クリックで拡大)
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室町時代〜安土桃山時代

鎌倉幕府が倒れると、時代は有力な大名が覇を競う動乱の世になっていきました。交通の要衝であるこの丘陵にも、武士の居館がいくつか築かれました。これらの遺跡からは、武家の威信やそれに基づく生活文化を示すように、中国製や古瀬戸などの上質なやきものなどが出土しています。
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また、城や多量の銭を埋納した遺構なども発見され、当時の緊張した様子もうかがえます。こうした武士の多くは江戸時代に入ると、武士の身分を捨て村の中心的な存在になっていきました。
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江戸時代

徳川幕府の成立により、江戸の町は世界でも有数の都市に発展しました。人々の生活を支えるため、周辺の村々でも、野菜などの生産がさかんになりました。田畑に適した平地に乏しい丘陵では、里山の資源を活かし、燃料用の炭が多く焼かれました。
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一方、村々にも全国各地の産物が江戸を通じて流通するようになりました。食器をはじめ、生活用具に様々なやきものが用いられるようになったのも、この頃です。こうした暮らしぶりは、多摩ニュータウンの開発直前まで名残りをとどめていました。
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土鈴を鳴らしてみよう

安土桃山時代と江戸時代の間にあったのは、「縄文人も聞いた 土鈴を鳴らしてみよう」の体験コーナーです。左から順に八王子市小比企向原遺跡、町田市多摩ニュータウンNo.939遺跡、八王子市楢原遺跡の3遺跡から出土した土鈴の響きを実際に聴くことができます。チリンチリンというよりは、シャラッシャラッという感じ。(クリックで拡大)
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縄文時代体験コーナー

展示ホールを出た壁際に縄文人の生活を実体験できる6つの体験コーナーがありました。「本物の縄文土器にふれてみよう」「土器の復元にチャレンジしよう」「縄文土器に文様をつけてみよう」「弓ぎり・舞ぎりに挑戦しよう」「石皿でどんぐりをすりつぶしてみよう」「縄文人の衣装を着てみよう」の各コーナーで、実際に道具を使って体験できます。
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「本物の縄文土器にふれてみよう」コーナー

多摩ニュータウンから出土した本物の縄文土器(約4,500年前〜4,000年前)を実際に触ったり、持ち上げてみることもできます。 写真や図では分からない"本物"の質感、重量感をぜひ感じ取ってみてください。本物の縄文土器!持ち上げると、肉厚で思ったよりずっしり重たい。こんな道具で煮炊きをしていたんですねぇ。
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「縄文土器に文様をつけてみよう」コーナー

渦巻きや縄目、さらには貝殻のような文様まで!?縄文土器の文様は実に多彩です。では縄文人は土器の文様をどうやってつけていたのでしょうか?目の前に置かれた縄や竹、木の棒などを使って、お手本の文様を再現してみましょう。縄文人との知恵比べにチャレンジです!
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「土器の復元にチャレンジしよう」コーナー

遺跡から出てくる土器のほとんどはバラバラになっていて、一つ一つくっつけて形を復元していきます。ここでは立体パズルで土器の接合にチャレンジです!真ん中の白い円柱に土器の破片をくっ付けていって、3分以内に完成出来れば今日からあなたも考古学者!?
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「弓ぎり・舞ぎりに挑戦しよう」コーナー

縄文人のアクセサリーは硬い石や骨、角を使っています。でも機械や金属のない縄文時代に穴はどうやってあけていたのでしょう?縄文時代の穴あけドリルを使って、あなたも石の穴あけにチャレンジ!
昔の火おこし道具の定番(!?)舞ぎりを回してみましょう。細い木の棒を木の板に押し付けて素早く回します。摩擦熱で火をおこす火付け道具なんです。今みたいなマッチやライターがない時代だったんです。難しそうで意外と簡単?火おこしマイスターチャレンジの練習にもどうぞ。
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「石皿でどんぐりをすりつぶしてみよう」コーナー

縄文人の主食はドングリ。でも硬い殻を割ってそのまま食べてもおいしくないし、縄文人はどうやって食べていたんだろう?実は縄文人はドングリを割って粉にする道具を持っていました。硬いドングリも粉にしてしまえば食べやすく、他の食材と混ぜてクッキーのようにすることもできます。縄文人の調理を体験してみましょう。こんなに簡単な道具なのに、あっという間にドングリをすりつぶせました。縄文時代のお母さんにとっては毎日の作業だったんですからね。
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縄文人の主食は、クリ、クヌギ、クルミ、コナラ、トチノミといった木の実だったようです。遺跡からは編みかごに入ったドングリや、穴の中にたくわえられていたドングリが発見されています。秋に大量に採れるドングリを家族みんなで拾い集め、一年分の食料として大切に保存しながら食べていたようです。
クリ、クルミ、シイの実などはそのまま食べられますが、クヌギ、コナラ、トチの実などは、苦味(アク)があり、そのままでは食べられません。水にさらしたり、土器でゆでたりと特別な工夫でアクを抜き、「石皿」や「磨石」といった石の道具で調理しながら食べていたようです。
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「縄文人の衣装を着てみよう」コーナー

縄文人の「衣・食・住」の中でも「衣」、着るものについてはまだよく分かっていないのですが、縄文時代の布の破片は少ないながらも出土しています。縄文人は麻やカラムシといった植物の繊維を使用して布を作っていたようです。このコーナーでは、埋蔵文化財センターオリジナル縄文服を実際に着て、縄文人になることができます。
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縄文時代の縄。繊維の採れる主な植物は、草皮を用いた大麻、カラムシ、アカソ、イラクサ、つる類のクズ、フジ、ヤマブドウ、樹皮のシナノキ、コウゾ、ミツマタなどがあげられます。これらの素材で作られた縄は、土器に文様を付ける以外にも、弓・矢・斧などの道具類や、建物の結束材として、あるいは物を吊り下げる紐や縄、さらには袋や編みカゴなどの容器の素材として利用されており、古代人にとって生活の必需品であったことがわかります。
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埋蔵文化財センターオリジナルの縄文アクセサリーと縄文バッグ。けっこうおしゃれなデザインです。
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全部組み合わせると、こんな感じ。あら!すてき!(クリックで拡大)
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埋蔵文化財センターの開館時間は、午前9時30分から午後5時00分まで。11月〜2月は遺跡庭園「縄文の村」のみ午後4時30分まで。
休館日は年末年始 12月29日から1月3日まで。展示替えによる休館(3月中旬)。
入館料は無料です。トイレ等だけの利用でも構わないそう。

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縄文ファッションの服に付けられていた商品タグ。まじめな解説が書かれていると思ってよく見たら、「縄文良品」ですって。学芸員さんたち、楽しみながら作ったのでしょうね。ところで、鳥の骨の産地がケンタッキーって、フライドチキンの骨のこと?(クリックで拡大)
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取材協力:東京都埋蔵文化財調査センター

東京都埋蔵文化財調査センター展示ホール(3話)
前編:企画展示「蒼海わたる人々」
中編:常設展示:縄文時代〜弥生時代〜古墳時代
後編:常設展示:奈良時代〜鎌倉時代〜江戸時代〜体験コーナー(当記事)

遺跡庭園「縄文の村」(2話)
前編:小田急多摩センター駅〜縄文の村〜復元住居A棟
後編:復元住居C棟の火焚き〜復元住居B棟〜竪穴住居の模型〜湧水

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by u-t-r | 2019-02-19 16:00 | 八王子周辺エリア

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「直接ご本人に会ってお話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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