八王子見て歩記/坂本々店(後編)

後編:お肉屋さんの舞台裏
坂本々店/八王子市八日町
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坂本々店様の店頭です。歩道間際までせり出した冷ケース、色とりどりの商品POP。いかにもお肉屋さんらしい賑やかさです。手作りポスターの「八王子名物 坂本の焼豚」は自家製炭火焼きです。12月29日から31日までの年内予約分は、早くも完売してしまったらしい。地元の方でも知っている人は知ってる美味しさなのでしょう。

八王子でも生鮮三品の魚屋さん、八百屋さん、お肉屋さんがめっきり減ってしまいました。スーパーのパック売りしか知らない世代から見ると、量り売りのお店は馴染みが薄いのかもしれません。創業明治13年の坂本本店様、お店の中はどんな様子なのでしょう。許可をいただいて店内に入室させていただきました。

お肉屋さんといえばコロッケ!

小学生のころ、お肉屋さんの揚げたてコロッケはごちそうでした。買い食いが禁止されていなかった大らかな時代でしたので、お腹が空いた学校帰りはお肉屋さんに寄ったものです。注文を受けてからその場で揚げてくれる、紙に包んではいど〜ぞ!ホカホカコロッケの美味しいことといったら!

男しゃくいものコロッケ90円、豚挽肉と玉ネギのメンチカツ135円、玉ネギと豚肉の串かつ120円、昔なつかしいハムカツ90円、とうもろこしがぎっしりコーンコロッケ90円、やわらか〜いイカフライ90円、豚ロースのトンカツ230円と285円、アジフライ120円。ほとんどの商品が100円以下なんです。(クリックで拡大)
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揚げ物売り場を店内から見るとこんな感じ。お肉屋さんの輪ゴム入れは昔からなぜかQBBチーズ缶と決まっておりました。(クリックで拡大)
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坂本々店名物、じっくり炭火焼き焼豚

坂本々店様の一番人気は、炭火でじっくり焼いた国産ポークの焼豚です。ちょうど奥様が切り分けているところでした。100グラム400円とリーズナブルなお値段。肩ロース肉の原価だけで半分以上かかってるんじゃないでしょうか。
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焼豚の材料となる肩ロースです。柔らかくて旨味が濃い部位で、薄切りにすると美味しいショウガ焼きの食材になります。贅沢にも両端をカットして、美味しい真ん中の部分だけ使っているんだそう。
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お肉屋さんのお肉は全部国産

「今はスーパーや宅配など、どこでもお肉が買えるようになりました。肉屋が他と違うのは、牛肉・豚肉・鶏肉すべてが国内産なこと。輸入肉はもちろん、冷凍肉も使いません。わざわざ「国産」と書かないのは、お肉の美味しさは鮮度だって知っているから。そんなの当たり前だと思うのが肉屋なんです。噛んでいるとすぐに味がなくなってしまうお肉とは違います。」

「パック肉のほとんどは下に白いシートが敷いてありますが、あれはお肉から滴ってしまうドリップを吸収するため。誤解されがちですが、ドリップは血ではなく、お肉の美味しさそのもの。旨味が抜けてしまっているんです。鮮度の高いお肉なら滴りません。ドリップシートなんて不要です。」

自家製ポテトサラダ160円、国産牛肉650円、お買得国産牛肉500円、豚みそ漬け1枚200円、豚ひれ肉230円、豚カレー用150円、スペアリブ140円、フランクフルト(大)1,510円、フランクフルト(小)430円、豚肩ロース肉1,100円(500g)。※お肉は100g当たりです。(クリックで拡大)
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冷ケースの前に置かれたベンチは、ちょっと腰掛けたり荷物を置ける便利な工夫。昭和時代中ごろまで、お惣菜の材料は食事のたびに買い出しに行っていたものでした。朝はお豆腐屋さん、夕方は魚屋さんやお肉屋さんといった具合です。

豚ロース肉230円、豚すき焼き用(赤身)170円、豚バラ肉190円、銘柄とりもも180円、筋なしささみ120円、とりもも130円、とりてば90円、豚こまにく140円。※お肉は100g当たりです。(クリックで拡大)
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店内側から見た冷ケースです。当たり前ですがお肉の値札が見えません。全部憶えていらっしゃるんですね。
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大きな冷蔵庫

一般家庭に冷蔵庫が普及する以前から、お肉屋さんには大きな冷蔵庫がありました。タイル張りで天井までの高さの水冷式です。お肉屋さんは鮮度が高いまま肉を切り分けて小売りするので、中はほとんどが冷蔵用。冷凍用はほんの小さなスペースでした。
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庫内の壁には冷却用のパイプが何本も取り付けられています。一般家庭の電気冷蔵庫は送風によって庫内を冷却しますが、水冷式は自然循環でやさしく冷やします。庫内の空気が乾燥せず、お肉を新鮮に保てるのが大きな特長。タイル張りなのでコンクリート製かと思ったら、中身はラワン材だそうです。今ではもう作れる職人さんもいなくなったらしい。
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冷蔵庫の前にスライサーが置かれていました。大きなお肉のかたまりから薄切りに切り分ける機械です。
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そして壁には八幡八雲神社の護符。そういえば、八日町は八王子まつりの下地区。八幡八雲神社の氏子さんが住む街なんですね。ほかに、天界山雲龍寺達磨大師のお札に、熊手も追加。ご利益ありそうです。
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おっと!楽しいお話しをお聞きしていたら、そろそろ夕方になってしまいました。お客さまから揚げ物のご注文です。奥様がさっそくフライヤーにタネを入れはじめました。
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坂本様のお店は八日町の交差点のすぐ近くにあります。みずほ銀行のすぐそば。今日の夕食は、お子さん大好き!お肉屋さんのコロッケはいかがでしょう。タマネギを入れ、めんつゆで煮て卵でとじたコロッケ丼なんて絶品ですよ〜。
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取材協力:坂本々店/八王子市八日町1-18
TEL.042-622-5046

坂本々店(2話)
前編:明治13年創業のお肉屋さん
後編:お肉屋さんの舞台裏(当記事)

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by u-t-r | 2019-01-15 16:00 | 八王子見て歩記

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「直接ご本人に会ってお話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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