八王子見て歩記/松姫古道を歩く-3
2018年 11月 27日
松姫古道を歩く
第3話:森の中の休息所〜大六天(見晴し台)〜石割松
登山口付近が開けた明るい山道だったのに対して、大六天から先は杉木立の間を通る道になります。木の根が道にはみ出しています。足元が滑る急斜面も珍しくありません。道の両側が斜面になっているのがお分かりになりますか?森の中の稜線を通っているのです。出発前にGoogleMapでコースを確かめたのですが、街中と違って目安になるランドマークが見当たらず、等高線だけしか標示されませんでした。頼みは案内標識と踏み分け道だけ。
GoogleMapの衛星写真で確認すると、登山口から尾根にかけての踏み分け道がうっすら見えます。(クリックで拡大)
森の中は松姫古道が見えないので地図標示に切り替えると、等高線しか表れず、まったく頼りになりません。そもそも道路じゃないし。(クリックで拡大)
向山北砦から大六天へ
向山北砦を過ぎると、道は森へと入っていきます。松姫古道の3分の2は森の中の道です。
道の両側は斜面なのですが、木が密生しているため、転げ落ちる恐さは感じません。帰った後、調べて分かりました。暖かい時期はヘビが多い場所だそうです。11月の晩秋には動物が少なくなるみたいですよ。いい時期に来ました♪
トトロの森のトンネルのようです。
多少の高低差はあるものの、歩きやすい道が続きます。
行き交う人もいない山道を一人で歩くと実に心細いです。時々赤い棒の刺してある場所がありました。これは貴重な植物が生えている目印、通称「竹竿」です。八王子の自然公園ではよく見かけます。こんなものでも人の気配を感じられてうれしい。
秋の雑木林を歩いていきます。木漏れ日が差す暖かい一日でした。念のために1枚多く着てきたものの、このあたりで脱いでしまいました。
森の中の休息所
このあたりから踏み分け道が少しずつ薄くなっていきます。前方左側の小高い場所に案内板を発見しました。
森の中の休息所でした。案内板はヒモで木にくくりつけられており、まるでボーイスカウトのキャンプ場看板のよう。「すぐそこ1分 見晴(みはらし)」の矢印付きです。
道標によれば、大六天はここから左方向に歩いて1分の場所にあるようです。八王子城址は右方向です。徒歩20分の心源院様には男女トイレもあるよとの案内もありました。行きは30〜40分かかってますが、ずっと上りだったしね。(クリックで拡大)
徒歩1分なら行ってみなくっちゃ!木々の間から青空が見えます。大六天(見晴し台)はすぐ近く!
大六天(見晴し台)
短い坂を登ると大六天に到着です。手作りベンチが3脚置いてあるので、疲れ休みに最適です。眺めもいいしね。体力のない人間が山を歩く時は、こまめな休憩に限ります。ベンチがあったら座って、必ず水分補給をしましょう。後の疲れが違ってきます。(クリックで拡大)
大六天の標高は315メートルでした。向山北砦が286メートルだったので、さらに29メートル登ったことになります。麓の心源院様(235メートル)からは80メートル。よくぞ登ってきたものだ。
大六天(見晴し台)から都心方向を見た眺望です。関東平野の広さは約1万7000平方kmにもおよび、四国全体(18,297.78平方km)の面積にも匹敵する日本最大の平野です。双眼鏡を持ってくればよかった。(クリックで拡大)
雑木林の休息所
一度、森の中の休息所に戻ってから、松姫古道に復帰します。「登山口〜向山砦〜大六天(見晴・休息所)」往復の心源院尾根散歩コースは歩く人が多いようで、踏み分け道もはっきりしていたのですが、大六天から先はまさに森の中。よく見て歩かないと迷子になりそうです。
尾根道ではあるものの、道の両側が雑木林になっているので公園の散歩道のように安心して歩けます。もし、木がなかったら、急峻な崖なんでしょうね。
道にはゆるやかな勾配がありますが、坂道というほどの傾斜ではありません。里山の雑木林を歩くようです。このあたりの雑木林は、かつては炭焼きや竹細工で活用されていたのでしょう。最近では八王子でも炭焼き釜を見たことがないです。心源院のご住職に聞いたお話しでは、竹細工を仕事にする人も今はもういなくなり、竹は切って打ち捨てるだけのものになってしまっているそう。昭和中期までは、焚き付けの薪木や木炭を都心に出荷していたものでした。藁で作った俵に入れてね。
人があまり歩かない道には雑草が繁茂してきます。その分、人の気配も薄くなるわけで、道標もめっきり少なくなり、心細さがつのります。
階段代わりの木の根を上がって高台へ登ります。
丸太のベンチが2基、雑木林の休息所です。歩き疲れたころに必ず休息所があるのはありがたい。
杉木立の尾根道
雑木林の休息所を過ぎると、まだ若い杉の木立になります。両側が急坂で、ちょうど馬の背を歩くような森の道です。所々の木にペンキが塗られているのは、おそらく伐採の目印ではなく、経路を示すためのものでしょう。林業の場合は、ペンキではなくテープを使いますから。
白帯に案内されて、森の道を歩いていきます。
平らな道はほとんどなく、ゆるやかな上り下りの尾根道です。ずっと先まで白帯が見えるので迷う心配はありませんでした。
石割松
道に木の根が張り出している場所が何か所もあります。
前方では道のまん中に松が生えていました。なんだか妙に小高い場所に松があります。
どうやら、大きな岩の隙間に根付いて育った石割松のようです。(クリックで拡大)
第4話では、三叉峠〜北条氏照の墓所(途中まで)〜つつじ台をご紹介します。
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最近ご住職が息子さんと一緒に八王子城址まで歩いたと、奥様からお聞きしていました。途中に急峻な岩場もある険しい山道です。後日、ご住職にお聞きしたら「泣きそうな顔をしていたな」とか。あー!その話、奥様には言ってないでしょ!
第3話:森の中の休息所〜大六天(見晴し台)〜石割松
GoogleMapの衛星写真で確認すると、登山口から尾根にかけての踏み分け道がうっすら見えます。(クリックで拡大)
向山北砦から大六天へ
向山北砦を過ぎると、道は森へと入っていきます。松姫古道の3分の2は森の中の道です。
森の中の休息所
このあたりから踏み分け道が少しずつ薄くなっていきます。前方左側の小高い場所に案内板を発見しました。
短い坂を登ると大六天に到着です。手作りベンチが3脚置いてあるので、疲れ休みに最適です。眺めもいいしね。体力のない人間が山を歩く時は、こまめな休憩に限ります。ベンチがあったら座って、必ず水分補給をしましょう。後の疲れが違ってきます。(クリックで拡大)
一度、森の中の休息所に戻ってから、松姫古道に復帰します。「登山口〜向山砦〜大六天(見晴・休息所)」往復の心源院尾根散歩コースは歩く人が多いようで、踏み分け道もはっきりしていたのですが、大六天から先はまさに森の中。よく見て歩かないと迷子になりそうです。
雑木林の休息所を過ぎると、まだ若い杉の木立になります。両側が急坂で、ちょうど馬の背を歩くような森の道です。所々の木にペンキが塗られているのは、おそらく伐採の目印ではなく、経路を示すためのものでしょう。林業の場合は、ペンキではなくテープを使いますから。
道に木の根が張り出している場所が何か所もあります。
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最近ご住職が息子さんと一緒に八王子城址まで歩いたと、奥様からお聞きしていました。途中に急峻な岩場もある険しい山道です。後日、ご住職にお聞きしたら「泣きそうな顔をしていたな」とか。あー!その話、奥様には言ってないでしょ!
森の中に小さな足跡がありました。な〜んだ、子どもさんの足跡かと思ってよく見たら、先が二つに分かれているじゃありませんか。へー!地下足袋でねぇ。いぇ違います。イノシシの足跡でした。こんな人里近くにもいるんですねぇ。
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取材協力:深澤山心源院(八王子市下恩方町1970)
松姫古道を歩く(全5話)
第1話:高尾駅北口〜心源院〜松姫古道登山口
第2話:第1見晴し台〜切り株の頂上〜倒木の尾根〜向山北砦
第3話:森の中の休息所〜大六天(見晴し台)〜石割松(当記事)
第4話:三叉峠〜北条氏照の墓所(途中まで)〜つつじ台
第5話:北条氏照の墓所分岐〜標高368mの休息所〜八王子城址・柵門跡
松姫古道(1話)
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取材協力:深澤山心源院(八王子市下恩方町1970)
松姫古道を歩く(全5話)
第1話:高尾駅北口〜心源院〜松姫古道登山口
第2話:第1見晴し台〜切り株の頂上〜倒木の尾根〜向山北砦
第3話:森の中の休息所〜大六天(見晴し台)〜石割松(当記事)
第4話:三叉峠〜北条氏照の墓所(途中まで)〜つつじ台
第5話:北条氏照の墓所分岐〜標高368mの休息所〜八王子城址・柵門跡
松姫古道(1話)
by u-t-r
| 2018-11-27 16:00
| 八王子見て歩記