つぶやき/おもちゃの海賊船

おもちゃの海賊船、大海原へ
アドベンチャー号の大冒険
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子どものころ、川に流した笹舟はどこに行くんだろうと思っていました。浅川から多摩川へ、東京湾から太平洋へ。いつか遠い国に着くかもしれない。そう考えただけでワクワクしたものです。そんな夢物語を実現してしまった少年がスコットランドにいました。少年の名はオーリー・ファーガソンくん(8歳)とハリー・ファーガソンくん(5歳)の兄弟。2017年5月。彼らのおもちゃの海賊船「アドベンチャー号」は、イギリス、スコットランド東部の港町ピーターヘッドから北海へと船出しました。

両親の協力でおもちゃを改造

当初、兄弟は昔ながらのやり方で、ビンにメッセージを入れて海に流そうと考えていましたが、両親の協力で、おもちゃの海賊船を改造して世界の海を巡らせることになりました。船の名前は「アドベンチャー号」。お風呂で遊ぶための船だったので、荒海に船出させるためにはお父さんによるいくつかの改造が必要でした、まず、直立状態を維持するように船底に重りを入れ、浸水しないように船内をポリスチレンで満たしました。さらに、GPSを積んで、今どこを航海しているか1日に2回現在位置を発信します。公式サイトの写真を見ると、船体中央にソーラーパネルも載せているようですね。(クリックで拡大)
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デンマークへ、そしてスウェーデンへ

ピーターヘッドを出航したアドベンチャー号が最初に着いたのは、北海を挟んだ向こう岸のデンマークでした。スコットランドからの直線距離は約390マイル(約628km)もあります。アドベンチャー号には「この船を見つけたら、場所を記録して海に戻してね」のメッセージが付けられていました。拾った家族はファーガソン家のFaceBookに連絡し、船を海に戻しました。次に着いたのは、デンマークの向こう岸のスウェーデン。ここでは拾った女性には壊れた場所を修理してもらえました。そしてノルウェーへ。海岸に到着するたびに誰かが見つけて、アドベンチャー号を海に戻してくれました。

ノルウェーでは、帆船「クリスチャン・ラディッヒ(CHRISTIAN RADICH)号」に拾われて、壊れたセイル(帆)とリギング(艤装)を交換してもらいました。クリスチャン・ラディッヒは、ノルウェーのオストハンデット海洋協会所属の練習船で、北海・大西洋・地中海を訓練航海している696総トンの帆船です。拾い上げた船員さんたちも、さぞ顔をほころばせたことでしょう。(クリックで拡大)
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大西洋を横断

クリスチャン・ラディッヒ号はアドベンチャー号を修理後、もっと広い海域へ運んでくれました。アフリカ北西部の国、モーリタニアです。モーリタニア沖で降ろされた小さな海賊船は、大西洋を航海しはじめました。誰もがこの大西洋が最後になるだろうと心配していました。実際、途中で現在位置を発信しなくなり、航海が終わったように見えた時もありました。その直後にアドベンチャー号は南アメリカの海岸に着いたことを伝えはじめました。無事、大西洋横断に成功したのです。

この小さな船が大西洋を横断するだなんて、誰が想像できたことでしょう。スコットランドから現在位置のベネズエラまでは、直線距離でもなんと6,880km。デンマークやノルウェーに渡ったことを考えると、航海した距離はすでに1万kmを超えていると思います。ピーターヘッドを出航した小さな海賊船は、途中で巡り会った人に助けられながら、今も大航海を続けています。(クリックで拡大)
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アドベンチャー号は今

オーリー君とハリー君は、学校から帰ってくると毎日お父さんに聞くそうです。「アドベンチャー号は今どこにいるの?」。現在地は公式サイトで確認が可能です。アドベンチャー号はモーリタニアを出発した後、カーボベルデ共和国の島々を通過して大西洋を渡り、南米のガイアナ共和国の沖を通過。カリブ海に浮かぶ島、バルバドス島の首都ブリッジタウン沖からセントルシア島へ向かっているようです。(クリックで拡大)
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日本にも「奇跡の椰子の実」と呼ばれている実話があります。
戦地で望郷の思いを込めて、同郷の友人と自分の名前を刻んで流した椰子の実が、31年漂流し続けて故郷の浜に漂着。宛名の戦友と自分の妻の手元に届いたのです。今も靖國神社の遊就館に展示されているそうです。
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参考:TRACK OUR ADBENTURE(アドベンチャー号公式サイト)

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by u-t-r | 2018-09-18 16:00 | つぶやき

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「直接ご本人に会ってお話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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