花と山野草/春の南浅川(3月)

春の南浅川(3月)
浅川ゆったりロードに咲く山野草たち
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八王子の春は3月初旬の高尾梅郷の梅からはじまります。3月末〜4月初旬になると市内各地で桜が咲きはじめ、「浅川ゆったりロード」が満開の桜並木で彩られるようになるのです。江戸端唄の「梅は咲いたか、桜はまだかいな」で歌われるとおりの順ですね。南浅川の遊歩道は上を見あげると桜ですが、足元にも春の山野草たちがいっぱい咲いていました。写真はユキヤナギと桜の競演です。中には脱走して野生化した園芸種もあるようですが、中には今では雑草と呼ばれるようになった植物もあります。

多賀公園

多賀公園は浅川と南浅川の合流点近くにある公園です。陽当たりのいい公園中央に咲いたユキヤナギ(雪柳)、別名:コゴメバナ。まだ、枝垂れるほどの満開にはなっていないようです。原産地は中国で、暑さ寒さに強い植物です。元々は栽培されていたものが脱走して野生化しました。花言葉は「愛らしさ」「愛嬌」「殊勝」「懸命」。女性は一途なものなのよ。ふふん♪(クリックで拡大)
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鮮やかな黄色い花はレンギョウ(連翹)。枝が伸びて下に垂れ、地面に接触すると、そこからも根を出し新しい株ができるほど繁殖力が旺盛な植物です。中国原産ですが、日本への渡来は古く、平安時代とも江戸時代ともいわれています。花言葉は「希望」「かなえられた希望」「豊かな希望」「集中力」「情け深い」「とまどい」「期待」。春を待っていたかのように花を咲かせる姿から。(クリックで拡大)
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桜の花がいっせいに咲き誇る季節に、大きな花をつけるモクレン(木蓮)。原産地は中国で、平安時代中期には日本に渡来していた歴史ある花です。花言葉は「自然への愛」「崇高」「持続性」。白木蓮は「高潔な心」。(クリックで拡大)
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見た目がスズランに似た可愛い花はアセビ(馬酔木)、スズランと同じく有毒植物です。万葉集でも「磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君がありと言わなくに」と詠まれたほど歴史が古い花です。ちなみに歌の意味は「岸のほとりに咲く馬酔木を手折って君に見せたいと思っても、見せてあげる君に会ったとは誰も言ってはくれないよ」。この歌には、謀反の罪で処刑された大津皇子にまつわる悲しい意味があります。英名ではJapanese Andromedaと呼ばれます。ギリシャ神話の英雄ペルセウスに救われたエチオピア王女「アンドロメダ」にまつわるエピソードから。花言葉は「犠牲」「献身」「清純な心」「あなたと二人で旅をしましょう」。(クリックで拡大)
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横川橋〜水無瀬橋

真っ白な花が目にまぶしい。ハナニラ(花韮)、別名:ベツレヘムの星は、キリスト生誕の時にその場所を知らせた星が散り落ちて、そのまま花となった伝説から。クリスマスツリーのてっぺんにつける星飾りに名残を残します。白のほかに黄色、青、ピンクと多彩な花色の品種があるのが特徴です。葉は野菜のニラにと似た匂いがしますが、まったくの別種です。有毒なので食べられません。花言葉は「悲しい別れ」「耐える愛」「卑劣」「恨み」「星に願いを」。恋人に贈ったら揉めそうだ。(クリックで拡大)
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巫女さんが持つ神楽鈴に似たブルーの花はムスカリ。花の語源はムスク(じゃ香)で、マスクメロンのような香りがあります。また、青い花を房状に咲かせることから「ブドウヒヤシンス」とも呼ばれます。原産地は南西アジアあるいは地中海沿岸地方で、日本には30数年前ごろから市場に出回るようになりました。元々は園芸種ですが、丈夫な植物なので、八王子市内あちこちで見かけます。花言葉は「通じ合う心」「明るい未来」「失望」「失意」。両極端ですねぇ。(クリックで拡大)
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まるで船のスクリューのような形の青紫の花はツルニチニチソウ(蔓日々草)。キョウチクトウ科で、原産地は南ヨーロッパと北アフリカです。欧米では古くから魔除けの効果があるといわれており、イギリスやフランスでは「魔法使いのスミレ(Sorcerer’s Violet)」とも呼ばれています。花言葉は「幼なじみ」「朋友」「優しい思い出」「生涯の友情」「楽しき思い出」「幼い日の思い出」「優しい追憶」。寄せ集まって咲く姿は仲がよさそうですものね。(クリックで拡大)
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五月橋〜陵東橋

遊歩道沿いの緑地の中で、目立たぬようにひっそり咲いていたのはヒメオドリコソウ(姫踊り子草)。ヨーロッパ原産で、日本では明治時代中期に帰化しました。大変繁殖力が強いので、在来種を脅かす侵入生物とされていますが、他の花が少ない時期にはミツバチにとっては重要な蜜の供給源となります。花言葉は「快活」「陽気」「愛嬌」「春の幸せ」「陽気な娘」「 隠れた恋」。長い冬が終わって、可愛らしいお踊り子たちが元気いっぱい春を踊っているよう。(クリックで拡大)
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黄色のハナニラかなと思って近づいてみたら、フエフキスイセン(笛吹水仙)、別名:ペチコート水仙でした。まるで春の訪れを告げる魔法のラッパのよう。この花は園芸種ではなく、地中海沿西部原産の野生水仙です。花言葉は「優しい追憶」「持って生まれた素質」。(クリックで拡大)
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花の写真を撮りはじめてびっくりしたこと。それは、道端に咲く名もない花だと思っていた植物すべてに名前が付けられているということです。当たり前ですけど、「雑草という名前の草はない」は本当だったのですね。
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by u-t-r | 2018-06-26 16:00 | 花と山野草

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「現地で直接お話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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