花と山野草/高尾の里の春(3月)

高尾の里の春(3月)
高尾梅郷に咲く山野草たち
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高尾梅郷梅まつりに行った時に撮ってきた山野草などの花です。咲き誇る梅だけ見るんじゃなくて、ちょっと足元にも目をやってみましょう。可憐な花たちが春の訪れを知らせてくれます。高尾梅郷へは何度か行きましたが、年によって咲く花のタイミングが少し変わってくるようです。今年はスミレが少なかったなと感じました。そりゃそうです。八王子の春は、高尾梅郷から始まるんですから。

木下沢梅林近く

高尾梅郷は奥から順に小仏梅林〜木下沢梅林〜湯の花梅林〜荒井梅林〜天神梅林〜関所梅林〜遊歩道梅林と続きます。この中で期間限定で特別公開しているのが木下沢梅林。ふだんはゲートが閉じられており、梅まつり期間中以外は外から見ることしかできません。奥に行くほど山野草が豊富になるのも高尾梅郷の特徴です。

早春に路傍や畑の畦道などで花を咲かせるオオイヌノフグリ。別名の「瑠璃唐草」「天人唐草」「星の瞳」の方が素敵です。ヨーロッパ原産で1890年頃に東京に帰化しました。地面に這いつくばるように咲く可憐な小さな薄紫色の花です。近年はめっきり少なくなってしまいました。環境省のレッドデータブックでは「大部分の個体群で個体数が大幅に減少している」として、絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に指定されています。花言葉は「信頼」「神聖」「清らか」「忠実」。
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中央高速横の路傍に柚子(ゆず)の実が落ちていました。見上げると枝にたわわに実っています。我が国では飛鳥時代・奈良時代から栽培されていた歴史ある果樹です。花言葉は「健康美」「汚れなき人」「恋のため息」。深い緑色の葉に映える白い花と、さわやかな香りの黄色い果実から付けられました。(クリックで拡大)
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枯れ葉のお布団にくるまって、陽当たりのいい崖の斜面で咲きはじめたノミノフスマ(蚤の衾)、ナデシコ科ハコベ属です。小さな葉っぱを蚤の布団(衾[ふすま])に見立て名付けられました。花言葉は「いじらしい」。小さな小さなお花です。
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木下沢梅林園内の中段の梅にある展望台で咲いていたスミレ(菫)。春の訪れを告げる代表的な花です。花言葉は「謙虚」「誠実」。 紫のスミレにはさらに「貞節」「愛」が加わります。足元でひっそりと。(クリックで拡大)
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入口ゲートから「上段の梅」まで続く外周園路で見つけたアオキ。葉の緑と、実の赤のコントラストが美しい日本原産の古来種です。江戸中期にヨーロッパへ伝わりましたが、雌株のみであったため結実せず、改めて、幕末期にロバート・フォーチュンにより雄株の採集が行われました。花言葉は「初志貫徹」「若く美しく」「永遠の愛」「変わらぬ愛」。押しが強そう。(クリックで拡大)
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荒井梅林近く

旧甲州街道の民家の庭先でミツマタ(三椏)を見つけました。高尾梅郷へ来る春先には必ずこの黄色い花が咲いています。中国中南部・ヒマラヤ地方が原産地で、和紙の原料として有名。日本の紙幣は今でもこのミツマタを原料としています。つまり、一万円札の素!ちなみに和紙の原料となるのは花ではなく茎の方です。花言葉は「強靭」「意外な思い」「肉親の絆」「淡白」。和紙って丈夫ですもん。(クリックで拡大)
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荒井梅林園内に咲いていた薄紫色のハナニラ(花韮)。原産地はメキシコ~アルゼンチンです。葉がニラに似ており、葉っぱをちぎると名前のとおりニラの臭いがしますが有毒植物です。花言葉は「悲しい別れ」「耐える愛」「恨み」「卑劣」。食べられると思って摘んだのに…ということでしょうか。(クリックで拡大)
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スズランに似た小さな花をいっぱい咲かせているのはアセビ(馬酔木)、しかも珍しいピンク色です。「馬が酔う木」の名前通り、全体に有毒成分が含まれているので、動物にも昆虫にも食べられることなく、きれいな状態で生育します。花言葉は「清純な心」「清純な心」「いつもあなたと一緒」「二人で旅をしよう」「犠牲」「献身」。誰にも媚びずに生きていく。(クリックで拡大)
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関所梅林近く

ポチポチと咲き始めたユキヤナギ(雪柳)。全体が真っ白になるほど咲くのは、1か月後の桜の頃です。花言葉は「愛嬌」「愛らしさ」「賢明」「殊勝」「静かな思い」。枝を埋め尽くすほど花がたくさん咲いても、どこか遠慮気味でおしとやかな花です。
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路傍の石垣の下で咲いた鮮やかなオレンジ色の花はキンセンカ(金盞花)。地中海沿岸が原産です。日本では観賞用として花壇などに植えられるますが、ヨーロッパでは原種はハーブの1つに数えられ、エディブル・フラワー(食用花)でした。花言葉は「慈愛」「別れの悲しみ」「乙女の美しい姿」「失望」「悲しみ」「用心深い」「悲嘆」「静かな思い」。
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紫色のラッパみたいな形の花はホトケノザ(仏の座)。葉の形で分かるとおりシソ科の植物です。名前の由来は、半円形の葉が茎を取り囲んでつくようすを蓮華座(れんげざ)に見立てたところから。本では、北海道以外本州四国九州沖縄に自生しています。花言葉は「調和」「輝く心」。なにせ仏さまですから。
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民家の庭に咲いていたジンチョウゲ(沈丁花)。沈丁花という名前は、香木の沈香のような甘い良い香りがあり、丁子(ちょうじ、クローブ)のような花をつける木という意味で付けられました。原産地は中国南部ですが、日本では室町時代頃にはすでに栽培されていたそうです。最近あんまり見かけなくなりましたね。花にも流行り廃りがあるものなのか。花言葉は「不死」「不滅」「永遠」。1年中緑の葉をつける性質にちなんでいます。(クリックで拡大)
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関所梅林の片隅にサンシュユ(山茱萸)が黄色い花をつけていました。原産地は中国および朝鮮半島で、江戸時代享保年間に種子が日本に持ち込まれ、薬用植物として栽培されるようになりました。秋に実る赤い実は、食用・滋養強壮の漢方薬として今でも使われます。花言葉は「持続」「耐久」「強健」「成熟した精神」「気丈な愛」。漢方だけに身体によさそう(クリックで拡大)
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今年も撮りそこなってしまったのは、高尾に自生する真っ白な花。タカオスミレです。蛇滝口周辺で撮ったという方がいました。花期は4月からなので、早すぎたのかもしれません。

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by u-t-r | 2018-05-15 16:00 | 花と山野草

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「現地で直接お話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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