花と山野草/生まれ変わりの里-1

生まれ変わりの里の花(11月)-1
勝五郎の生家/八王子市東中野
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昔々、本当にあった不思議な物語。勝五郎生まれ変わりの舞台は、八王子市東中野と途中に多摩動物園を挟む日野市程久保にまたがる多摩地区でした。中野村で生まれた勝五郎が、晩秋11月、兄弟たちに前世の記憶を語りはじめるところからはじまります。なにせ200年近く前のお話しですから、今では当時の面影を忍ぶことすらむずかしい。踏み分け道だった山道は切り開かれて立派な道路が走り、田や畑だった場所には真新しい住宅街が広がります。ゆかりの地を巡り歩きながら、道端の花たちを撮ってきました。すっかり寒くなったので、もう、花なんて咲いてないだろうなと思っていましたが、意外や意外。晩秋には晩秋の花があるんです。

勝五郎の生家周辺

勝五郎の生家は、中野村(現:東中野)にありました。当時はゆるやかな山あいに農家や畑があった場所でしたが、今では造成されて「多摩ニュータウン東山」になっています。斜面で風に吹かれてススキ(薄、芒)がそよいでいました。たぶん、この景色は当時とあまり変わらないはず。
ススキの花言葉は「活力」「精力」「生命力」「心が通じる」。ススキの持つ生命力や真っ直ぐと穂を伸ばす姿が由来なのでしょう。生まれ変わり物語にぴったりの植物かもしれませんね。
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勝五郎は農業の傍ら副業として目籠作りをしながら、中野村で55歳まで生きます。前世:藤蔵が6歳で亡くなっているので、合わせて61年の人生でした。こういう場合、足し算していいものやら…。現在は八王子市下柚木の永林寺に眠っている勝五郎ですが、元は中野村の実家裏山に墓地がありました。
墓地の近くだったろう場所に咲いていたのはコウゾリナ(顔剃菜)。タンポポによく似た花で日本の在来種です。タンポポと違って、茎や葉には剛毛が生えています。花言葉は「私にふれないで」。勝五郎は生まれ変わりの話しを聞かれるのが嫌いだったそうです。
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勝五郎の道

生家から小さな山をひとつ越えると、勝五郎の祖父・源蔵の実家です。今でもご子孫の方が代々同じ場所に住まわれているそうです。敷地の入口に咲いていたピンク色の花はイモカタバミ(芋片喰)。原産地は南アフリカやアメリカですが、繁殖力が強く、なかなか根絶させられないことから、「子孫繁栄」に通じるとされて、戦国大名・長宗我部元親が家紋に用いました。花言葉は「輝く心」「喜び」「母の優しさ」。
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透き通るようなピンク色の豪華な花は皇帝ダリア、別名:木立ダリア。原産地はメキシコ、中央アメリカです。人の背を軽く超え秋空にそびえたっていました。高さは3〜4mにもなるそう。花言葉は「乙女の純潔」「乙女の真心」。皇帝だけに「君臨」とか「統治」なのかと思ってた。
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もうひとつ大きな花がありました。皇帝ダリアにも負けない大きさです。こちらはコダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)。「朝鮮」と付いていますが中南米原産の植物で、 日本には明治時代に渡来しました。花言葉は「愛敬」「変装」「魅力」「愛嬌」「夢の中」「遠くから私を思って」「あなたを酔わせる」「偽りの魅力」「率直」「開放的」。有毒植物なのでご注意を。
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勝五郎は祖母・つやと一緒に、前世・藤蔵が生まれ育った程久保村を訪ねます。その時に歩いた道が「勝五郎の道。住宅地開発とともに消えていった生まれ変わり物語の舞台ですが、奇跡的に中央大学多摩キャンパス内に当時のまま「勝五郎の道」が残っていました。
林の中に咲いていた鮮やかな黄色い花はツワブキ(石蕗)、キク科の多年草で日本原産です。花言葉は「いつも笑顔で変わらない」「困難に傷つけられない」「先見の明」「謙譲」「謙遜」。かくありたい!
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晩秋から冬にかけての花といえば、サザンカ(山茶花)が代表選手ですよね。椿とサザンカはよく似ていますが、椿の開花時期が12~4月なのに対してサザンカは10~2月。花の散り方も違います。椿は花全体がボトッと、サザンカは1枚ずつハラハラと散ります。サザンカは日本の固有種で、原産地は本州の山口県、四国、九州、沖縄です。
花言葉は「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」「理想の恋」。白い花には「愛嬌」「あなたは私の愛を退ける」の花言葉もあります。寒さが強まる季節に健気に咲く一輪。演歌にぴったり!
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晩秋〜冬の花たちの花言葉には可憐なものが多いようです。辛抱・苦労に堪えて花開かせる、そんな景色が人々の心の琴線に触れるのかもしれませんね。

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生まれ変わりの里の花(2話)
第一話「勝五郎の生家、八王子市東中野」(当記事)
第二話「前世・藤蔵の生家、日野市程久保」


by u-t-r | 2018-01-16 16:00 | 花と山野草

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「直接ご本人に会ってお話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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