花と山野草/長池公園の花と実(9月)-1

長池公園の花たちと木の実・草の実(9月)-1
南大沢〜長池公園南エントランス〜夕日展望台
長池公園/八王子市別所

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八王子市東南部の別所にある長池公園は、四ッ谷から移築した優美な長池見附橋で有名な公園です。約20ヘクタールある園内は、南西エリアに自然保護のための特別保存ゾーンを設けて、カワセミやノウサギなど多くの野生動物を保護するサンクチュアリになっています。この特別保存ゾーンと隣接する雑木林は、かつての八王子の里山を偲ばせる緑豊かな遊歩道で、園芸植物をはじめ山野草が豊かな場所でした。秋にはどんな花が咲くのでしょう。南大沢駅から出発して、長池公園内まで花を探しながら歩いてみました。

別所の街に咲く花

最初に発見したのは、民家の塀と歩道のわずかな隙間に咲いた彼岸花です。他の街でもよく見かけた景色。彼岸花って隙間が好きなのかしらね。花言葉は「情熱」「独立」「再会」「あきらめ」「転生」「悲しい思い出」「思うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」。う〜む、演歌のよう。
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民家の庭先から顔を出したツートンカラーの可愛い花。チェリーセージは通称で、正しい名前はサルビア・ミクロフィラ。サルビアの仲間です。原産地はアメリカ南部とメキシコ。名前にチェリーが付いているのは、葉は軽くもむとサクランボに似た甘い香りを放つからだそう。花言葉は「燃ゆる思い」「知恵」「尊重」。貴婦人のよう。
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こちらは白のチェリーセージ。チェリーセージはピンクと白のツートンカラーだけでなく、ピンク1色、白1色でも咲くそうです。気温の高い時にはピンク、低いときには白になりやすい花だとか。ツートンカラーの花をホットリップスとも呼びます。「熱い唇」、すごい名前!
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民家に接した斜面に彼岸花の群生が。おや?白い花も混じっているようです。(クリックで拡大)
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やっぱり白だ!白の彼岸花って珍しいですよね。調べてみたら彼岸花と鍾馗水仙の雑種が白い彼岸花になるそうです。実がならない彼岸花を交配。どうやって作ったんだろう。花の色によって花言葉が変わります。赤い彼岸花は「情熱」「独立」「再開」「転生」「あきらめ」「悲しい思い出」。白い彼岸花は「思うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」。色によってこんなに違うとは!
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駐車場の花壇に植えられていた色鮮やかなマリーゴールド。花のかたちから見てフレンチ種(T. patula)のようです。聖母マリアの祭日に咲いていたため「聖母マリアの黄金の花」とも呼ばれます。原産地はメキシコと中央アメリカ(アフリカに1種)で、根に線虫の防除効果があるのでコンパニオンプランツとして作物の間などに植えられることもあります。花言葉は「信頼」「悲しみ」「嫉妬」「勇者」「悪を挫く」「生命の輝き」「変わらぬ愛」「濃厚な愛情」。なんだかRPGのテーマ曲みたい。
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長池公園/やまざと駐車場

長池公園には南エントランスから入りました。駐車場には秋の七草の一つ、ススキ(芒、薄)が黄金色の穂をつけています。かつて、ススキはチガヤ(茅萱)、スゲ(菅)などと並んで茅葺き屋根に使われていた有用植物です。茅葺きに使うには、その地で容易に得られる事、濡れても腐りにくい事、長いほうが手間が少なくなる、材料が必要で、山間部ではススキを用いていたようです。花言葉は「活力」「精力」「生命力」「心が通じる」。スクスクとまっすぐに育つススキにふさわしい。
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長池公園/夕日展望台

長池公園には展望台が2つあります。南エントランスの高台にあるのが夕日展望台。やまざと広場から林の中の道を登ればすぐ着きます。登り口にあったのがこの植物。ツボミなんだか花なんだかさっぱり分からず、長池公園自然館様に写真を送って教えていただきました。イタドリ(虎杖)の実なんだそうですよ。3枚の薄い膜の中心に黒っぽい実。落果すると風で飛んでいくのかしらね。(クリックで拡大)
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水平に伸びた幹から枝が直立して実をいっぱい付ける。どこかで見たカタチだなぁと思ったら、2年前の8月に醍醐林道で撮影していたのでした。ツボミの状態だとこんな感じです。花は上に、葉は下に。名前の由来は、若葉をもんで切り傷などに貼り付けると出血が止まり、痛みが取れることから「痛取り」の意味で名づけられました。花言葉は「回復」「見かけによらない」。切り傷が治ること、実がまるで花のように見えるところから付けられたのでしょう。(クリックで拡大)
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園内あちこちで真っ赤な実をつけていたのはガマズミ(莢蒾)。日本原産の植物で、英語名は「Japanese bush cranberry」。クランベリーの名のとおり、ガマズミの実は秋に結実して初冬くらいになると甘くなるそうです。山中で食べるものがなくなった狩人たちがガマズミを探して食べていました。山の神からの授かり物の「神の実」として大切にされてきたようです。花言葉は「結合」「私を無視しないで」「無視したら私は死にます」「愛は死より強し愛は強し」「未来」「恋のあせり」。可愛らしい実なのに、花言葉は恐ろしげ。
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夕日展望台の入口に花壇がありました。咲いていたのは薄紫色の花とマツバボタンのような葉、地中海沿岸が原産地で香辛料として有名なローズマリーです。名前の意味は「マリアのバラ」。ヘロデ王の軍隊に追われた聖母マリアが、幼きイエス・キリストとともにエジプトに逃れていたある夜、マリアが青いマントを白い花が咲いている香りのよい木にかけたところ、翌朝、花がマントと同じ青色に変わっていたという伝説があります。マリアを象徴する花がバラなので、「ローズマリー」と呼ばれるようになったとか。

また、紀元前4〜5世紀頃の古代ギリシャでは記憶や思い出の象徴とされ、学生たちは髪にローズマリーの小枝をさして勉強したというエピソードも残っています。花言葉は「追憶」「思い出」「あなたは私を蘇らせる」「記憶」「貞節」「誠実」「変わらぬ愛」「私を思って」「静かな力強さ」「忠誠」「献身」。聖母マリアにふさわしい清楚な言葉たちです。
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隣に薄紫の手まりのような花も咲いていました。葉のかたちから分かるとおり、ミントの仲間、オーデコロンミントです。他のミントより強い香りがすることからオーデコロンの名が付けられました。花言葉は「美徳」「貞淑」。
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黄色い小花が寄せ集まったオミナエシ(女郎花)、別名「思い草」も秋の七草のひとつです。日本では万葉の昔から愛されてきた花ですが、日当たりの良い草地や手入れの行き届いた溜め池の土手など、好適な生育地が減少したため自生地は非常に減少しているそうです。 花言葉は「美人」「はかない恋」。秋風にさびしげにゆれる繊細で女性的な姿によく似合います。
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オミナエシの下に咲いていたコスモス(秋桜)。本来は熱帯アメリカ原産の植物ですが、日当たりと風通しがよい場所であれば、あまり土質を選ばずに育つ、いたって丈夫な花です。今頃は御所水のコスモスも満開だろうなぁ。秋桜の日本名は、さだまさしさんの名曲「秋桜」で初めて用いられ、今では秋の季語になりました。花言葉は「乙女の真心」「調和」「謙虚」。色ごとに追加で、白は「優美」、赤は「愛情」「調和」です。丈夫で長持ち、協調心に富んで謙虚そのもの!営業マン向けです。
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なんで晩秋のこの時期にアジサイが?と思ったらアナベルでした。アナベルは6〜7月に真っ白い花を咲かせますが、その後も咲き続け、9月になると緑色に変化します。ずいぶん長い間楽しめる花なんですね。花言葉は、花の色が変化しないことから「ひたむきな愛」「辛抱強い愛情」と、ぐっと高評価。ちなみにアジサイの花言葉は「移り気」「浮気」です。
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ちなみにどうしても名前が分からず、長池公園自然館様にお送りした写真の1枚がこれです。園内の植物にお詳しい方が即座に答えてくださいました。「直立しているのはイタドリの実、葉は葛ですねぇ」。道理でいくら調べても分からなかったはずです。(クリックで拡大)
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長池公園の花たちと木の実・草の実/9月(2話)
第一話:南大沢〜長池公園南エントランス〜夕日展望台(当記事)
第二話:中央園路〜里山のいえ〜築池

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by u-t-r | 2017-11-14 16:00 | 花と山野草

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「直接ご本人に会ってお話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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