八王子見て歩記/松姫さま四百年祭-2

修行された地で里帰り大法要
松姫さま四百年祭-2(4月9日心源院)
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400年ぶりに里帰りされた松姫さまの里帰り大法要が心源院本堂ではじまりました。御本尊様に向かって左右に檀家のみなさん、一般参列者の席は入口側と決められて法要がはじまりました。八王子の曹洞宗の僧侶が集って松姫さまの御供養です。

PM2:22 四百回忌里帰り大法要

最初にお参りされたのは信松院の西村ご住職。信松院は、御所水の里(今の台町)にあった松姫さまの庵跡に、遺言により没後開山したお寺さんです。
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信松院のご住職と八王子曹洞宗僧侶による読経がはじまります。
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御本尊に向かって左側に大きな木魚と鐘。
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曹洞宗の礼拝で最も丁寧な最高の敬礼法、帰依三宝(きえさんぼう)です。まず両足をそろえて立ち、合掌。次に右膝をつけ左膝を地につけ、右手、左手、そして額を畳につけます。この時に額で畳を叩くこと三回、これを三回(三拝)繰り返します。さらに額を畳につけた時に両手の掌を耳の横で上に向け、こころもち持ち上げます。お袈裟の左手の下に折り畳んだ敷物を持っていらっしゃるなんて初めて知りました。
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午後3時。心源院ご住職が上殿されます。
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楽器を持った僧侶が3人出てきました。鉢(チーン)に太鼓(ポン)に引磬(ジャラン)。「チンポンジャラン」ともいうそう。曹洞宗の法要は楽器を鳴らして賑やかなのが特徴です。
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ご住職が松姫さまに御焼香。随翁舜悦和尚から400年を経た御縁です。
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本堂の中心に着座されて読経がはじまりました。松姫さまがお唱えされた同じ経典が今も伝わっています。
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PM3:10 御焼香

読経が終わると、心源院ご住職、参加された僧侶の順に御焼香です。
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続いて、信松院・心源院の檀家の皆さん。
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最後に一般参列者の皆さん。たくさんの方が参列されたので、広い本堂も御焼香の煙で白く霞んでいます。
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参拝された方ひとりひとりに参拝記念が授与されました。
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開けてみると、蓮弁の形に切られた紙に銀色の文様が地紋に入り、「松姫様四百回忌里帰り 御開帳 心源院」の文字。散華で撒かれた紙と同じかたちです。(クリックで拡大)
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午後3時40分。つつがなく松姫さま四百回忌里帰り大法要が終わり、御詠歌「正法御和讃」がお唱えされる中、僧侶が一列になって退場していきます。
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最後に心源院ご住職と信松院ご住職から参列の皆さんに挨拶がありました。松姫さま座像は百回忌の折に仁科資真(すけざね)公より寄進された木彫像で、以来300年の間、信松院から出ることはありませんでした。八王子市指定文化財になっているため、変色や劣化を防ぐために室内保管が義務づけられていましたが、今回、市文化財課のご協力により持ち出しが特別に許可されたそう。外を歩く時に赤い傘をさしていたのは、座像を紫外線から守るためでした。

※松姫さま座像を寄進された方が誰なのか知りたくて検索してみましたが、ネット上には一切情報がありませんでした。そこで、信松院の西村ご住職にお聞きして、ようやく仁科資真公によるものと判明いたしました。資真公は、高遠城で戦死された松姫さまの実兄・仁科盛信公の孫にあたります。
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PM3:50 静けさが戻った本堂

「どうぞ写真をお撮りになってください」と声をかけていただいて、何人もの方が松姫さまを撮っていました。一緒に写真に入る方も何人か。(クリックで拡大)
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いつ見ても、おやさしそうなお顔。松姫さまを信松院宝物殿の外で見られる日が来るとは、私も思っていませんでした。(クリックで拡大)
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法要が終わり、僧侶や参列者のほとんどがお帰りになった本堂。いつもの静けさが戻りました。松姫さまはこれから1週間、4月16日にお帰りになる日まで心源院にいらっしゃるそうです。
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松姫さま四百年祭の里帰り大法要は、参拝料も入館料も一切とらなかったのです。これじゃ申しわけないと何か買うものを探したら、本堂前で御朱印をお分けしていました。お遍路さんが御朱印帳に捺印してもらう印ですね。せめてもの気持ちで購入させていただきました。

御朱印の中心には「信松尼」ではなく「松姫」と入っています。松姫さまはここ心源院で修行され、出家されることで武田氏の姫としての人生に別れを告げました。曹洞宗の僧侶としての道を新たに歩みはじめられたのです。(クリックで拡大)
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取材協力(撮影許可をいただいています):深澤山心源院、金龍山信松院、産千代稲荷

松姫さま四百年祭(全6話)
第1話「四百年ぶりの里帰り」
第2話「修行された地で里帰り大法要」(当記事)
第3話「善男善女に送られて」
第4話「稚児たちをお供に御縁巡り」
第5話「松姫通りを信松院へ」
第6話「四百回忌大法要」

松姫さま(全7話)
→その1「清和源氏の名門武田家の姫君」
→その2「高遠城陥落と兄盛頼の死」
→その3「武田氏滅亡と流転の旅」
→その4「逃避行-甲斐の国を逃れる」
→その5「信松尼となった松姫さま」
→その6「武田家の遺臣たちに慕われて」
→その7「最終話:松姫さまの残されたもの」

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by u-t-r | 2016-07-19 16:00 | 八王子見て歩記

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「直接ご本人に会ってお話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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