「地球ゴマ」が生産終了
昭和の思い出がまたひとつ消える

「地球ゴマ」というおもちゃをご存知でしょうか。ジャイロ効果を利用して、指の先やヒモの上、どのような場所でも倒れずに回り続ける科学おもちゃです。発売されたのは大正10年(1921年)今から50年以上前に誕生しました。昭和30年~40年代(1960〜1970年)には男の子の間で爆発的にヒットして、年間30万個もの売り上げを記録。縁日の夜店や駄菓子屋さんの店頭には必ずならんでいたものでした。
※画像はWikipediaから
「地球ゴマ」命名の由来
「地球ゴマ」は物体の角度や角速度を検出する計測器、ジャイロスコープの原理によって動いています。発明したのは1817年ドイツのヨハン・ボーネンベルガー。1852年にはフランスのレオン・フーコーが地球の自転を証明しようと実験した際に呼んだ「ジャイロスコープ」の方が一般に広まりました。今では航空機やロケットなどの姿勢制御や、身近なところではカメラの手ぶれ補正、ゲーム機のコントローラーなどに幅広く利用されています。
地球ゴマが誕生したのは1921年ですから、ジャイロスコープの発明からおよそ100年後に生まれたことになります。「地球ゴマ」の名称は、太陽のまわりを回りながらも地軸は常に一定の傾きを保っている地球、そのの自転・公転運動を分かりやすく説明できることから命名されました。

ついに生産終了へ
「地球ゴマ」を製造しているのは、名古屋市千種区のタイガー商会様。現社長の巣山重雄氏で三代目となります。創業者は加藤朝次郎氏で、機工舎という時計メーカーの責任者を任されていましたが、コマ状の時計部品にヒントを得て「地球ゴマ」を完成させます。以来、今日に至るまで90年間「地球ゴマ」一筋に製造を続けられてきました。 戦後の物資難の時も、PX(駐屯地購買部)での販売や海外輸出が認められて資材や電力供給を優先的に受けられ、米国への輸出を果たしました。ちなみに、タイガー商会の名前は創業者が寅年生まれであったことに由来するとのこと。
2/100~3/100ミリという精度を維持するため、ベテラン職人さん3人が手作業で「地球ゴマ」を作っています。こうした精度があってはじめて、ペン先で回り続けたり、糸の綱渡りもこなしたり、果ては立方体のプラスチックケースに収納したまま箱の角を支点にして回るといったアクロバティックな動きを可能にしました。最盛期は年間30万個もの売り上げを記録した大ヒット商品。現在ではピーク時の10分の1に減ってしまいましたが、販売不振が生産終了の原因ではないらしい。高齢化や後継者難のため事業継続が難しくなったそうです。

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平成24年(2012年)5月に放送された東海ケーブルチャンネルによれば、地球ゴマのタイガー商会様正価がAタイプ1600円。これが生産終了にともなってAmazonで新品が1万8千円にまで高騰していました。製品が無くなってから評価されるのでは、職人さんは堪ったものではありませんよね。
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昭和の思い出がまたひとつ消える

「地球ゴマ」というおもちゃをご存知でしょうか。ジャイロ効果を利用して、指の先やヒモの上、どのような場所でも倒れずに回り続ける科学おもちゃです。発売されたのは大正10年(1921年)今から50年以上前に誕生しました。昭和30年~40年代(1960〜1970年)には男の子の間で爆発的にヒットして、年間30万個もの売り上げを記録。縁日の夜店や駄菓子屋さんの店頭には必ずならんでいたものでした。
※画像はWikipediaから
「地球ゴマ」命名の由来
「地球ゴマ」は物体の角度や角速度を検出する計測器、ジャイロスコープの原理によって動いています。発明したのは1817年ドイツのヨハン・ボーネンベルガー。1852年にはフランスのレオン・フーコーが地球の自転を証明しようと実験した際に呼んだ「ジャイロスコープ」の方が一般に広まりました。今では航空機やロケットなどの姿勢制御や、身近なところではカメラの手ぶれ補正、ゲーム機のコントローラーなどに幅広く利用されています。
地球ゴマが誕生したのは1921年ですから、ジャイロスコープの発明からおよそ100年後に生まれたことになります。「地球ゴマ」の名称は、太陽のまわりを回りながらも地軸は常に一定の傾きを保っている地球、そのの自転・公転運動を分かりやすく説明できることから命名されました。

ついに生産終了へ
「地球ゴマ」を製造しているのは、名古屋市千種区のタイガー商会様。現社長の巣山重雄氏で三代目となります。創業者は加藤朝次郎氏で、機工舎という時計メーカーの責任者を任されていましたが、コマ状の時計部品にヒントを得て「地球ゴマ」を完成させます。以来、今日に至るまで90年間「地球ゴマ」一筋に製造を続けられてきました。 戦後の物資難の時も、PX(駐屯地購買部)での販売や海外輸出が認められて資材や電力供給を優先的に受けられ、米国への輸出を果たしました。ちなみに、タイガー商会の名前は創業者が寅年生まれであったことに由来するとのこと。
2/100~3/100ミリという精度を維持するため、ベテラン職人さん3人が手作業で「地球ゴマ」を作っています。こうした精度があってはじめて、ペン先で回り続けたり、糸の綱渡りもこなしたり、果ては立方体のプラスチックケースに収納したまま箱の角を支点にして回るといったアクロバティックな動きを可能にしました。最盛期は年間30万個もの売り上げを記録した大ヒット商品。現在ではピーク時の10分の1に減ってしまいましたが、販売不振が生産終了の原因ではないらしい。高齢化や後継者難のため事業継続が難しくなったそうです。

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平成24年(2012年)5月に放送された東海ケーブルチャンネルによれば、地球ゴマのタイガー商会様正価がAタイプ1600円。これが生産終了にともなってAmazonで新品が1万8千円にまで高騰していました。製品が無くなってから評価されるのでは、職人さんは堪ったものではありませんよね。
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