八王子の公園/平山城祉公園(西園)

八王子の公園-第9話-1
平山城祉公園/八王子市堀之内
公園北中央口〜西園
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八王子には長沼公園をはじめ、四季折々の花が咲く雑木林を活かした自然公園がいくつもあります。八王子市堀之内の平山城祉公園もそのひとつ。名前に「城址」とありますが、滝山城趾・滝山公園片倉城址公園のような戦国時代のお城の跡ではなく、鎌倉幕府誕生時にこの地を治めていた豪族、平山季重にちなんで名付けられました。実際には城ではなく見張所があった場所で、季重の居館は京王線「平山城祉公園駅」駅前の石碑あたりにありました。

平山氏と平山城祉公園

平山氏は武蔵七党と呼ばれた武士団のうち西党の一族です。平山氏が出た西党は多摩川沿いの土渕庄(現在の日野市、立川市、狛江、そしてあきるの市あたり)に勢力を張っていました。季重(すえしげ)の生年、享年については詳しく分かっていませんが、保延6年(1140年)ごろ武蔵国平山(平山城址公園駅付近)生まれと伝えられています。

保元元年(1156年)の保元の乱で源義朝に、平治元年(1159年)の平治の乱では義朝の長男源義平に従い、待賢門での戦闘で平重盛の軍勢500騎に17騎で戦いを挑んでいます。義朝の敗死後は平家に従っていましたが、治承4年(1180年)に源頼朝が挙兵するとそれに従い、寿永3年(1184年)の一ノ谷の戦い、翌元暦2年(1185年)の壇ノ浦の戦いでは常に先陣を切って勇猛果敢に戦いました。文治5年(1189年)、奥州征伐の時には、かって自分が従った義経を討つという皮肉な運命に出会うことになりましたが、その功績をもって「驍勇無双の勇士」と賞賛され、鎌倉幕府の元老に取り上げられています。没年は建暦2年(1212年)ころ。73歳という当時としては長命だった戦国武将でした。墓所は平山城祉公園近くの宗印寺にあります。
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京王線「平山城祉公園」

今回は京王線「平山城祉公園駅」から歩いていきました。平屋建てのかわいらしい駅で、特急・準特急・急行は通過駅しますが、区間急行・快速・各駅停車は停まります。
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自然環境に恵まれた公園内には売店や自動販売機が一切ありません。水飲み場も少ないので、最寄り駅で飲み物・食べ物などを購入しておきましょう。写真は「平山城祉公園駅」改札横の飲み物の自動販売機。
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駅前のパン屋さん。「写真撮ってもいいですか?」「ど〜ぞ〜」、でパチリ。
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この日の焼きたてパンは「愛のコーヒールンバ」。美味しそうだけど、買うのがちょっと気恥ずかしい。(クリックで拡大)
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駅前ロータリーに3枚の案内板がありました。徒歩で行かれる方は道順にお気をつけを。ろくに確かめなかった私は途中で迷子になりました。
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案内板を右から順にご紹介します。公園来園の際に印刷して持っていくと便利です。まず「平山季重の道」。駅から公園までの道順とともに、平山季重にまつわる情報が掲載されています。(クリックで拡大)
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次が駅から公園北中央口までの徒歩ルートの案内板。地図の縮小率が大きいので、これ1枚では迷子になりそうです。(クリックで拡大)
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3枚目が日野市役所の「平山案内図」です。平山城祉公園は右上の線外になります。番地が記載されているので、一番分かりやすい地図かもしれません。(クリックで拡大)
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駅前ロータリーの反対側に立つ石碑は「平山季重公霊地碑」です。この石碑は、下総国香取郡鏑木(かぶらぎ)村(現千葉県香取郡干潟町鏑木)の豪農平山正義が、幕末の嘉永年間(1848~1854年)に、先祖の平山季重の遺跡を後世に伝えようと大福寺に建立したものです。右にあるのは大正14年(1925年)に七生青年団平山支部が立てた「季重公霊地碑」です。
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大福寺に建立された石碑が、なぜ駅前にあるのか。案内板「平山季重居館跡」にその歴史が紹介されていました。屋敷の跡地がお寺になり、今は駅前駐車場に。栄枯盛衰。。
(クリックで拡大)
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「平山城祉公園駅」を後に、平山城祉公園を目指します。公園は前方に見える小高い森のあたり。
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公園北中央口

平山城祉公園の北中央口に着きました。
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入口すぐ左に園内地図入りの案内板があります。
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平山城祉公園の広さは120,013.58平方メートル(平成26年6月1日現在)。横に細長い公園で、北中央口は東園もはずれです。園内の高低差が30mほどあり、園路を下っていくと地層から湧き出る水を集めた小さな池があります。西園は高台で、森の中の展望台「ひとときのデッキ」がある素敵な場所。(クリックで拡大)
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公園のコンセプトは「里山を受け継ぐ公園づくり」。里山とは人の住む集落と原生的な自然の中間にあって、雑木林や谷戸田、屋敷林や小川など日本の原風景ともいえるふるさとの景色です。(クリックで拡大)
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東園〜七生(ななお)口

公園に入ってすぐ確かめたいのはトイレの場所。平山城祉公園は北中央口の1か所だけです。
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トイレの前の舗装路をまっすぐ進みます。
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舗装路はここでおしまい。ここから先は山道です。
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森の中に入るとひんやりします。撮影日は7月22日。梅雨明けの猛暑の日でした。
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ほどよく木漏れ日が落ちていて、意外にしめっぽさは感じません。
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滝山公園片倉城址公園長沼公園と、自然に恵まれた公園を歩いてきました。どこも同じような山道に見えますが、たとえばこの笹薮。長沼公園では中腹より上でないと見られない植生です。北中央口に笹薮があるのは長沼公園の頂上付近と同じ野猿の尾根道に接しているからでしょう。
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八王子の都立公園全体にいえることですが、園路がよく整備されています。平山城祉公園の場合はアップダウンの傾斜がゆるいので特に歩きやすい。
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階段を降りきると道標がありました。右=七生(ななお)口とあります。試しに行ってみましょう。
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ここから七生口までは舗装路です。各入口付近は舗装路になっているよう。
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前方が開けて明るくなってきました。車止めのある場所が平山城祉公園の七生口です。
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公園の外から見た七生口。うっそうと茂った森の中へ入って行く遊歩道です。
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案内板の地図を見ると、七生口は野猿の尾根道に接していることが分かります。本当は尾根道を歩いていけば長沼公園に通じているはずです。残念ながら途中が一部私有地で立ち入り禁止のため、住宅街を通って遠回りしなければなりません。その昔、野猿の尾根道は生活道路として使われていたそうです。
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七生(ななお)口〜猿渡の池

七生口から「くぬぎの道」経由で「六国の道」に歩いていきます。今は開発されて住宅地となった八王子の丘陵も、かつてはこのような雑木林だったのでしょう。
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林の中に咲いていたフジバカマ(藤袴)。遠く万葉の時代から日本人に親しまれている秋の七草のひとつ、平安時代には紫式部によって著された源氏物語の第30帖「藤袴」にも登場しています。夕霧が詠んだ和歌「同じ野の露にやつるる藤袴あはれはかけよかことばかりも」が巻名の由来です。花言葉は「あの日を思い出す、優しい思い出」。
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「くぬぎの道」は舗装されているので歩きやすい。
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「さくらの道」と合流してすぐの場所に、右に降りる階段がありました。
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飛び石の橋で「むじな窪沢」を渡ります。沢には水がないので安心です。男の子を連れてくると喜びそう。
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もうひとつ飛び石が。こちらは水がある時に落ちたら泥だらけ。お子さんの着替えが必須です。
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こちらは「さくらの道」をまっすぐ歩いてきた時に渡る木橋です。
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木々の間に小さな池が見えてきました。「猿渡の池」です。
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シモツケ(下野)が紅色の小さな花をたくさん咲かせていました。名前の由来は下野国(しもつけのくに)現在の栃木県)ではじめて見つけられたところから。花言葉は「整然とした愛、穏やか」。
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今回は上り下りの少ない「くぬぎの道」を歩いてみました。左の階段は展望台のある「六国台の道」。平山城祉公園は園路がたくさんあって、季節の花を探して、あるいはなだらかな道をたどって、お好みのルートを選ぶことができます。
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猿渡の池に到着しました。木漏れ日が水面に落ちて幻想的な風景です。
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池をぐるっと半周すると、石垣が見えてきました。ここが「あずまや」、休憩所です。
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ヤマツツジの小径へ

西園最後の園路が「ヤマツツジの小径」です。この園路は西園からはじまり、東園に続いています。「あずまや」の左の山道を登っていきます。道を抜けると東園に連絡しています。
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ゆるやかな登り坂です。
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登りきると平坦な道に出ます。園路に並行して道路が見えました。東京薬科大学のキャンパスです。
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森の小径を歩いていきます。
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道の先のフェンスは東京薬科大学の門扉です。ここで西園は終点。道路を渡った先から東園です。
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交通アクセス

平山城祉公園には一般車用の駐車場がありません。徒歩か路線バスで、公園北中央口か中央広場口から入園します。

●徒歩で行く場合(公園北中央口へ)
最寄り駅の京王線「平山城祉公園駅」から「公園北中央口」まで徒歩20分。
(クリックで拡大)
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●路線バスで行く場合(公園北中央口へ)
「平山城祉公園駅」から京王バス「京王堀之内駅行き(平02)」か、「京王堀之内駅」から「平山城址公園駅行き(平02)」乗車、「平山城祉公園入口」バス停下車徒歩8分。
豊田駅北口から京王バス「都営平山四丁目アパート(平山循環H)」で「平山城祉公園入口」バス停下車。
(クリックで拡大)
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●路線バスで行く場合(中央広場口へ)
「豊田駅」か「平山城祉公園駅」から日野市ミニバス「平山循環路線」乗車、「平山台健康・市民支援センター」バス停下車徒歩4分。
(クリックで拡大)
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次回は平山城祉公園東園の中央広場口までをご紹介します。西と東で公園の雰囲気がぐっと変わります。

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西園と東園の境界にある道路は東京薬科大学の敷地です。大学のご協力により分割されている公園を行き来できるようになりました。道路の左右とも大学の私有地。外に出ることはできません。
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平山城祉公園(全3話)
→第9話:平山城祉公園(西園)|公園北中央口〜西園(当記事)
→第9話:平山城祉公園(東園-1)|東園〜中央広場口
→第9話:平山城祉公園(東園-2)|中央広場口〜ひとときのデッキ

→八王子の公園|記事一覧

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by u-t-r | 2014-11-18 16:00 | 八王子の公園

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「直接ご本人に会ってお話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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