八王子見て歩記/高尾デイハイク(後編)
2014年 06月 10日
多摩森林科学園〜高尾の蕎麦〜武蔵御陵・多摩御陵
高尾デイハイク(後編)
多摩森林科学園を1周していたらもうお昼。正門を出発して御陵に向かいます。先にランチを食べに行きましょう。高尾といえば名物はとろろ蕎麦。御陵の参道沿いにお蕎麦屋さんが何軒もあります。とろろ蕎麦をめざしてレッツゴー!
多摩森林科学園〜高尾街道
多摩森林科学園から御陵へは比較的分かりやすい道筋です。正門前の横断歩道を渡って、高尾街道の並木道をまっすぐ歩いていきます。
左に見えるこんもりした森と山がまるごと全部御陵の敷地です。
進行方向右側の並木道を歩きます。
高尾街道からまちなみ参道へ下りるスロープはこちら側の歩道にしかありません。
右方向が高尾駅、まっすぐ道なりに歩いていけば御陵に着きます。
御陵の近くにはたくさんの花が植えられています。民家のフェンス沿いに咲き乱れるモッコウバラ。中国原産のバラで学名はRosa banksiae。ジェームズ・クックの第一回航海(1768〜1771年)に同行したイギリスの植物学者ジョゼフ・バンクス(1743〜1820年)の夫人の名にちなみます。200年近く経っても二人の想いが残る。なんて素敵なことでしょう。
高尾街道の高架をくぐり抜ければ、まちなみ参道です。
〜まちなみ参道
フェンス前に案内板「昭和の散歩みち」がありました。ここからまちなみ参道がスタート。
まちなみ参道のほかに、甲州街道から御陵の参道に入るなみき参道もあるそうです。
(クリックで拡大)
左に御陵を見ながらフェンス沿いのまちなみ参道を歩いていきます。道にかかる枝もないし、芝もきれいに手入れされていますね。
作業員の方が敷地内の植栽を手入れしていました。お聞きしてみると、参道から見える部分や御陵の中をこうしてきれいにしているそうです。
フェンスと排水溝のわずかな隙間にパンジーが植えられていました。
民家の庭先にノースポールが咲いていました。ノースポールとは北極の意味。雑草混じリの場所などでもよく育ちます。
隣にはバラが。
道ばたにひっそりとヒメジョオン(たぶん)。ハルジオンとヒメジョオンはよく似ているので見分けがつきにくい。茎を折って中が空洞になっていればハルジオン、なければヒメジョオンだそうです。「雑草という名の草はないよ」の昭和天皇が眠る御陵の近くで手折るわけにもいかず。
これはまた見事なクレマチス。テッセンと呼ばれることもありますが、テッセンとは中国に自生しているクレマチスの原種のひとつで、6枚の乳白色の花弁の花です。青紫の花が咲いたこの花はザ・プレジデントではないでしょうか。
まちなみ参道は掲示板下のわずかな場所にも花が植えられているんです。
黄色いパンジーと、薄紫&白のツートンカラーのパンジー。
厳かなケヤキの参道もいいけれど、住宅街のまちなみ参道を歩くとのんびりした気分になります。こちらのお宅にもモッコウバラがたくさん咲いていました。
住宅街のはずれに来ました。もうすぐまちなみ参道の終点です。
ここまで、高尾駅から950mの地点です。御陵まであと70m。(クリックで拡大)
ここから道が広くなり、車道と歩道が分離されます。突き当たりが御陵の正面入口。
〜御陵参道
御陵の正面入口には高尾警察署の多摩御陵警備派出所があり、24時間態勢で警備が行われています。高尾警察署は平成7年(1995年)に八王子警察署より分離された警察署で、派出所のネームプレートが「高 尾」と1文字分開いているのがその名残です。元は「八王子」と3文字だったんだそう。警備中のお巡りさんに教えていただきました。屋根のかたちが独特ですよねぇ。
〜高尾の蕎麦でランチ
参拝にあとで来ることにして、まずは腹ごしらえ!大きなケヤキ並木を歩いていきます。参道中ほどを曲がったところにあるお蕎麦屋さん、むさし庵で昼食にしました。
よく歩いたごほうびにランチはとろろめしセットです。かけ蕎麦か冷たいお蕎麦にとろろ、半ライス、山菜、冷ややっこ、お新香が付いて1,100円なり。(クリックで拡大)
〜御陵参拝
御陵は武蔵陵墓地が正式名称。先に造営されたのが多摩御陵で、昭和天皇崩御後に後から造営されたのが武蔵御陵です。多摩御陵には大正天皇・貞明皇后両陛下が、武蔵御陵には昭和天皇・香淳皇后両陛下が眠っています。平成20年(2008年)6月に宮内庁が公開した「大正天皇実録」によると、地盤が地震に強く、万葉集に詠まれた「多麻の横山」の故地であることから、この地が選ばれたことが分かりました。
ちなみに武蔵野稜と多摩陵の形は上円下方墳です。昭和天皇陵は、大正天皇陵より上円部の丸みがなだらかになり、一般拝所から墳丘がある段までの高さを低くすることで、威圧感を落とす試みがなされています。ここは観光地ではなく墓所です。御陵内を撮影する気になれず、正面入口からのカットでお許しを。参拝時間は開門が午前9時、閉門が午後4時です。
高尾駅を10時に出発してここまでで午後3時です。帰りは「御陵前」バス停から京王バスで八王子駅まで乗っていきました。さすがに高尾駅まで歩いて帰るのはつらくって。
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昭和天皇の記憶は、中高年の方には鮮明に残っていることでしょう。歴史上の人物が眠る武蔵御陵。多摩御陵警備派出所のお巡りさんにお聞きしたら、最近は若い人もよくお参りに来るのだとか。地元八王子の方で、まだ行ってらっしゃらない方はいませんか?
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高尾デイハイク(2話)
前編:「高尾駅〜多摩森林科学園」
後編:「多摩森林科学園〜高尾の蕎麦〜武蔵御陵・多摩御陵」(当記事)
金剛の滝デイハイク(3話)
前編:「小峰ビジターセンター〜桜尾根(八坂神社)〜庚申塚」
中編:「庚申塚〜馬頭観音〜小峰公園最高地点〜今熊分岐」
後編:「今熊分岐〜金剛の滝〜新多摩変電所」
晩秋の高尾山デイハイク(5話)
第1話:「高尾山口駅〜清滝駅〜1号路入口」
第2話:「1号路/表参道〜つづら折り〜金比羅台」
第3話:「お地蔵様〜稜線の道〜エコーリフト山上駅」
第4話:「高尾山の眺望〜3か所から」
第5話:「ブラブラ散歩〜エコーリフトで下りる」
高尾デイハイク(後編)
多摩森林科学園を1周していたらもうお昼。正門を出発して御陵に向かいます。先にランチを食べに行きましょう。高尾といえば名物はとろろ蕎麦。御陵の参道沿いにお蕎麦屋さんが何軒もあります。とろろ蕎麦をめざしてレッツゴー!
多摩森林科学園〜高尾街道
多摩森林科学園から御陵へは比較的分かりやすい道筋です。正門前の横断歩道を渡って、高尾街道の並木道をまっすぐ歩いていきます。
左に見えるこんもりした森と山がまるごと全部御陵の敷地です。
進行方向右側の並木道を歩きます。
高尾街道からまちなみ参道へ下りるスロープはこちら側の歩道にしかありません。
右方向が高尾駅、まっすぐ道なりに歩いていけば御陵に着きます。
御陵の近くにはたくさんの花が植えられています。民家のフェンス沿いに咲き乱れるモッコウバラ。中国原産のバラで学名はRosa banksiae。ジェームズ・クックの第一回航海(1768〜1771年)に同行したイギリスの植物学者ジョゼフ・バンクス(1743〜1820年)の夫人の名にちなみます。200年近く経っても二人の想いが残る。なんて素敵なことでしょう。
高尾街道の高架をくぐり抜ければ、まちなみ参道です。
〜まちなみ参道
フェンス前に案内板「昭和の散歩みち」がありました。ここからまちなみ参道がスタート。
まちなみ参道のほかに、甲州街道から御陵の参道に入るなみき参道もあるそうです。
(クリックで拡大)
左に御陵を見ながらフェンス沿いのまちなみ参道を歩いていきます。道にかかる枝もないし、芝もきれいに手入れされていますね。
作業員の方が敷地内の植栽を手入れしていました。お聞きしてみると、参道から見える部分や御陵の中をこうしてきれいにしているそうです。
フェンスと排水溝のわずかな隙間にパンジーが植えられていました。
民家の庭先にノースポールが咲いていました。ノースポールとは北極の意味。雑草混じリの場所などでもよく育ちます。
隣にはバラが。
道ばたにひっそりとヒメジョオン(たぶん)。ハルジオンとヒメジョオンはよく似ているので見分けがつきにくい。茎を折って中が空洞になっていればハルジオン、なければヒメジョオンだそうです。「雑草という名の草はないよ」の昭和天皇が眠る御陵の近くで手折るわけにもいかず。
これはまた見事なクレマチス。テッセンと呼ばれることもありますが、テッセンとは中国に自生しているクレマチスの原種のひとつで、6枚の乳白色の花弁の花です。青紫の花が咲いたこの花はザ・プレジデントではないでしょうか。
まちなみ参道は掲示板下のわずかな場所にも花が植えられているんです。
黄色いパンジーと、薄紫&白のツートンカラーのパンジー。
厳かなケヤキの参道もいいけれど、住宅街のまちなみ参道を歩くとのんびりした気分になります。こちらのお宅にもモッコウバラがたくさん咲いていました。
住宅街のはずれに来ました。もうすぐまちなみ参道の終点です。
ここまで、高尾駅から950mの地点です。御陵まであと70m。(クリックで拡大)
ここから道が広くなり、車道と歩道が分離されます。突き当たりが御陵の正面入口。
〜御陵参道
御陵の正面入口には高尾警察署の多摩御陵警備派出所があり、24時間態勢で警備が行われています。高尾警察署は平成7年(1995年)に八王子警察署より分離された警察署で、派出所のネームプレートが「高 尾」と1文字分開いているのがその名残です。元は「八王子」と3文字だったんだそう。警備中のお巡りさんに教えていただきました。屋根のかたちが独特ですよねぇ。
〜高尾の蕎麦でランチ
参拝にあとで来ることにして、まずは腹ごしらえ!大きなケヤキ並木を歩いていきます。参道中ほどを曲がったところにあるお蕎麦屋さん、むさし庵で昼食にしました。
よく歩いたごほうびにランチはとろろめしセットです。かけ蕎麦か冷たいお蕎麦にとろろ、半ライス、山菜、冷ややっこ、お新香が付いて1,100円なり。(クリックで拡大)
〜御陵参拝
御陵は武蔵陵墓地が正式名称。先に造営されたのが多摩御陵で、昭和天皇崩御後に後から造営されたのが武蔵御陵です。多摩御陵には大正天皇・貞明皇后両陛下が、武蔵御陵には昭和天皇・香淳皇后両陛下が眠っています。平成20年(2008年)6月に宮内庁が公開した「大正天皇実録」によると、地盤が地震に強く、万葉集に詠まれた「多麻の横山」の故地であることから、この地が選ばれたことが分かりました。
ちなみに武蔵野稜と多摩陵の形は上円下方墳です。昭和天皇陵は、大正天皇陵より上円部の丸みがなだらかになり、一般拝所から墳丘がある段までの高さを低くすることで、威圧感を落とす試みがなされています。ここは観光地ではなく墓所です。御陵内を撮影する気になれず、正面入口からのカットでお許しを。参拝時間は開門が午前9時、閉門が午後4時です。
高尾駅を10時に出発してここまでで午後3時です。帰りは「御陵前」バス停から京王バスで八王子駅まで乗っていきました。さすがに高尾駅まで歩いて帰るのはつらくって。
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昭和天皇の記憶は、中高年の方には鮮明に残っていることでしょう。歴史上の人物が眠る武蔵御陵。多摩御陵警備派出所のお巡りさんにお聞きしたら、最近は若い人もよくお参りに来るのだとか。地元八王子の方で、まだ行ってらっしゃらない方はいませんか?
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高尾デイハイク(2話)
前編:「高尾駅〜多摩森林科学園」
後編:「多摩森林科学園〜高尾の蕎麦〜武蔵御陵・多摩御陵」(当記事)
金剛の滝デイハイク(3話)
前編:「小峰ビジターセンター〜桜尾根(八坂神社)〜庚申塚」
中編:「庚申塚〜馬頭観音〜小峰公園最高地点〜今熊分岐」
後編:「今熊分岐〜金剛の滝〜新多摩変電所」
晩秋の高尾山デイハイク(5話)
第1話:「高尾山口駅〜清滝駅〜1号路入口」
第2話:「1号路/表参道〜つづら折り〜金比羅台」
第3話:「お地蔵様〜稜線の道〜エコーリフト山上駅」
第4話:「高尾山の眺望〜3か所から」
第5話:「ブラブラ散歩〜エコーリフトで下りる」
by u-t-r
| 2014-06-10 16:00
| 八王子見て歩記