八王子見て歩記/絹の道(後編)

日本のシルクロード「絹の道」を歩く(後編)
北野台ルートと道了堂跡
b0123486_12213722.jpg

写真はイギリス人の写真家ベアトが撮影した幕末期の鑓水村の中心部、八王子へ向かう道です。この道は鑓水峠に向かう道と考えられます。道端の覆屋には石仏・石塔が安置されており、往来などにたくさんの村人が写されています。ベアトの写真集には「養蚕と生糸の生産工程に興味のある人なら、八王子かその近くの農家を訪問することほど楽しいことはない」と記されています。(絹の道資料館展示より)

前編では片倉台から入った絹の道。今回は北野台からの2ルートをご紹介します。車を停められる場所がないので、公共交通機関のご利用をお薦めします。いずれも京王バスのバス停近くなので不便はないでしょう。頂上の大塚山公園に至る途中に道了堂跡の遺跡が残っており、盛んに商人や荷車が行き来した当時の姿が思いおこされます。(クリックで拡大)
b0123486_13224319.jpg

「西武北野台バス停」ルート

西武北野台バス停から大塚山公園へのルートは、鑓水給水所へ抜ける道を利用します。3つのルートの中で唯一、階段を上らないで済む歩くのが楽なコースです。曲がり角の目印は「北野台けんぼく公園」。案内標識がないため見落としてしまいそう。
b0123486_20484964.jpg

カラフルなアスレチック遊具がある公園です。
b0123486_20584926.jpg

公園のはずれに住宅街へ入る道があります。
b0123486_20542599.jpg

道なりにゆるやかな坂道を歩いていきます。
b0123486_2152072.jpg

途中に車輛通行止めのフェンスがあります。鑓水給水所の作業車が出入りするための道路なので、一般車は入ることができません。
b0123486_21115325.jpg

距離はありますが、階段を上がるよりずっと楽です。
b0123486_21185071.jpg

撮影した9月初旬、野の花たちが目を楽しませてくれました。秋の七草のひとつ、葛の花。花言葉は「治癒」「芯の強さ」「恋のため息」。
b0123486_2125414.jpg

こちらはススキです。花言葉は「勢力」「生命力」「心が通じる」。さすがは秋の花たち。花言葉もロマンチックです。
b0123486_21302810.jpg

坂道の頂上から北野台が一望できます。遠く向こうに見える緑は長沼公園と平山城趾公園。
b0123486_21374878.jpg

坂道の頂上で、道は左に曲がります。突き当たりに見えるのは鑓水給水所。大地震などにより断水が発生した場合、近隣住民の方に水道水をお配りする給水拠点です。
b0123486_2211288.jpg

鑓水給水所の右側から奥へ抜ける道がありました。
b0123486_226621.jpg

水道タンクの横を歩いていくと…。
b0123486_2210154.jpg

T字路になりました。ここが絹の道のスタート地点です。
b0123486_22122097.jpg

右を見ると大塚山公園の階段が見えました。
b0123486_22184242.jpg

「北野台3丁目バス停」ルート

「北野台3丁目バス停」から大塚山公園へのルートは、片倉台からのルートと似た長い階段を上がっていきます。バス停すぐ近くに階段があるので迷うことはないでしょう。左にバス停、右の石垣に階段があります。
b0123486_1753072.jpg

階段が左右2本ありますが、左は通行止め。右の階段が通れます。
b0123486_17111473.jpg

旺盛な繁殖力を持った葛が階段を半分ほど覆い隠しています。モワモワッとした細い葉はキバナコスモス(黄花コスモス)です。
b0123486_17175889.jpg

キバナコスモスは、花や葉のかたちはコスモスとよく似ていますが別種です。花言葉は「野生美」「野性的な美しさ」。雨にも風にも負けずに花を咲かせることからつけられたそうです。なるほど!確かに葛にも負けてませんね。
b0123486_1723860.jpg

階段中央に手すりが付いているので、安心して上れます。
b0123486_1732323.jpg

もうすぐ頂上だ。ひーひー
b0123486_17355128.jpg

と思ったら、おまけの30段が追加です。
b0123486_1737564.jpg

木立の間から見える北野台の眺望です。
b0123486_17432083.jpg

「北野台3丁目バス停」ルート/道了堂跡

「北野台3丁目バス停」からのルートは、歩いていく途中で道了堂跡を見つけることができます。写真は御殿橋の欄干に刻まれている当時の姿。道了堂のほかに、子守堂、庫裡、書院、納屋。合計5つの建物があったことが分かります。(クリックで拡大)
b0123486_1844599.jpg

階段を上がった踊り場から右の道を行ってみます。
b0123486_18114167.jpg

山道は途中で切れて、茂みになりました。
b0123486_18164620.jpg

茂みを抜けると小さな平地に出ます。お城だったら曲輪(くるわ)に相当する部分。ここは子守堂跡だと考えられます。道了堂は本堂から廊下が延びて、一段低い子守堂へ、さらにもう1段低い庫裡や書院につながっていました。
b0123486_1820833.jpg

その証拠が子守堂跡から延びているこの階段です。
b0123486_18293791.jpg

試しに階段を上がってみると…。
b0123486_18325660.jpg

道了堂跡に出ました。
b0123486_923094.jpg

もう一度階段の踊り場に戻って、今度は道を直進してみます。
b0123486_9301534.jpg

踏み分け道の右側に平地が広がっています。おそらくここが庫裡や納屋があった場所です。
b0123486_9344866.jpg

道なりに歩いていきます。ここから先は山道です。
b0123486_9394469.jpg

道了堂跡(大塚山公園)の入口に着きました。
b0123486_94388.jpg

絹の道資料館に展示されている石版画「道了堂境内の図」(明治26年)。御殿橋のレリーフの原画です。実際に歩いてみると、創建当初の姿そのままを地形に留めていることが分かります。(クリックで拡大)
b0123486_9172921.jpg

道了堂裏手にある見晴し台。今は木立に隠れて景色が見えませんが、明治のころは遠く伊豆大島や江ノ島鎌倉、三浦三崎などが見通せたといいます。
b0123486_1016537.jpg

-----------------------------------------------------------------------------------------------

絹の道へのルートを前編の片倉台コースと合わせて3コースをご紹介しました。実際に歩いてみるとそれぞれに捨てがたい魅力があります。片倉台コースは御殿山からの眺望が抜群!西武北野台バス停コースは階段がなくて歩きやすい、北野台3丁目バス停コースは道了堂の歴史に触れられる道です。

-----------------------------------------------------------------------------------------------
取材協力:絹の道資料館

日本のシルクロード「絹の道」を歩く(3話)
→前編:片倉台〜御殿山〜大塚山公園(道了堂跡)
→中編:大塚山公園(道了堂跡)〜絹の道〜庚申塚
→後編:北野台ルートと道了堂跡(当記事)

ブログランキング・にほんブログ村へ

by u-t-r | 2013-11-26 16:00 | 八王子見て歩記

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「直接ご本人に会ってお話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


by UTR不動産
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30