八王子見て歩記/東京こけし(後編)
2010年 06月 01日
夫婦一代・東京こけし

お店でお話しを伺った後、こけしの木地づくりを見学に作業所へおじゃましました。「いい?始めるよ。あっという間だからよく見てて!」のお言葉通り、速い!速い!1本の角材から3分ほどで可愛らしい東京こけしが誕生します。撮影が間に合わなくなるほどの熟練の技をご覧ください。
東京こけしの素材
東京こけしの素材はミズキです。ミズキは、北海道、本州、四国、九州に分布する成長の早い樹木で、成長すると高さ10~18メートル、幹径10~50センチにもなり、下駄 ・玩具・箸などの他、箱根細工の寄せ木にも使われています。木目が目立たず木肌が白いので、絵が映えるところから選んだそう。
制作直後の東京こけしは白い木肌ゆえ、百合の花のような絵は木肌に馴染んで目立ちませんが、年数を経るとだんだん色が濃くなっていき、それに従って絵付けの白が浮かび上がってきます。ケヤキで作ったこともありましたが、やはり、絵の出方が全然違ってしまいます。試行錯誤の上、ミズキを使うことに決めました。
3分で生まれるこけし
百聞は一見。東京こけしが制作される様子をご覧ください。
1.角材をろくろにセットします。

2.角材の表面を丸ノミで円柱状に削っていきます。

3.小さい丸ノミで頭部の丸みを出していきます。

4.首を削っていき、同時に首飾りになる部分を作ります。

5.首飾りを胴の方から丸ノミで寄せ、平ノミで切り離します。

6.一瞬で首飾りが生まれます。2本のタイプも作れるそうです。

7.続いて、丸ノミで胴の丸みを出していきます。

8.髷(マゲ)の部分に平ノミを当てて切り離します。

9.こけしの木地が完成しました。この間わずか3分!

10.木地に絵付けを施します。

11.完成。右から2番目ができあがった直後の白い木肌。
時間を経るにつれ、味わい深い木色へと自然に変化していきます。

販売店
東京こけしは京王八王子駅から徒歩15分、本町2丁目の東京こけしハピネスリング様(東京こけし販売店)で販売しています。制作工程でご紹介した小サイズの他にも中と大、特大があり、携帯ストラップやキーホルダーや、高尾山でおなじみの天狗などの品揃えもあるそうです。
絵付けが手作業ゆえ、ご注文をいただいてから納品まで3か月ほどかかるそう。バックオーダーがいっぱいでお待たせしている状態です。10〜11月は「高尾山もみじまつり」が開催されるため、もみじの絵入りこけしを制作する繁忙期になります。もう少しお待たせするかもしれないとのこと。
お店で奥様が絵付けをしているところも見られます。お客様の幸せを願って、可愛らしい花を描き入れ続ける奥様。「できたら、悲しい用途には使わないでほしい」とおっしゃっていました。

「東京こけし」カタログ
東京こけし
男の子と女の子の2タイプがあります。
小サイズ630円、中サイズ1,050円、大サイズ2,100円、特大サイズ3,150円(すべて税込)

こけし携帯ストラップ・こけしキーホルダー
木肌を活かしたハピネスリングです。白い木肌のミズキと焦げ茶のケヤキの2種類。
両方とも735円(税込)

叶輪天狗(かなうわてんぐ)
高尾山の天狗にちなんで作られているこけし。ミズキを黒く染めています。
こちらにもハピネスリングが付いていますね。
小サイズ1,050円、中サイズ2,100円、大サイズ3,150円、特大サイズ5,250円(すべて税込)

虫の鉛筆削り(YouTubeの動画あり)
一見木の破片のようなカタチで、フタを開けると色とりどりの虫が入っています。
300円(税込)

子どもたちの寄せ書き
大蔵様は小学校の体験授業にも協力されています。お店の奥に貼られた寄せ書きは、子どもたちが送ってくれたものです。「一人に少しずつろくろを使わせてね。こけしができあがると歓声が湧くんだ」。子どもたちにとって良い思い出になったことは間違いありません。

夫婦一代
最近、弟子入り志願の若い方が訪ねてくることがあるそうです。残念ながら中国などの安い製品に押されて、職人が生き残れる余地が少ない日本。お弟子さんをとっても給料を払うことができません。仕事を持ちながらの趣味でやるならと、郊外の作業所で教えています。
東京こけしは、奥様か大蔵様のどちらかが倒れたら、店じまいするおつもりです。同じかたちにこけしを作れない、似たかたちに作れても同じ絵が描けない。他の人が名前を継ぐなら、それはそれで新しいこけしを作ってくれればいいとお考えです。後継者がいない東京こけし、夫婦一代の作品になってしまうのでしょうか。
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東京こけしがろくろから生み出される様子に感激した外人のお子さん。「いつかあなたと日本語で話せるようになりたい」と日本に留学。ある日、国元の親御さんから大蔵様に荷物が届いたそうです。中を開けると縞黒檀(しまこくたん)の木が1本入っていました。手紙を読むと「大変貴重だと言われた木をお送りします」。
「いや、うちは木工屋だから、黒檀(こくたん)ならいくらでもあるよとは言えなかった」と大蔵様。今でも作業所に大切に保管されています。気持ちがうれしかったんでしょうね。
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→前編へ戻る
取材協力:東京こけしハピネスリング(〒192-0066 東京都八王子市本町2-11-12)


お店でお話しを伺った後、こけしの木地づくりを見学に作業所へおじゃましました。「いい?始めるよ。あっという間だからよく見てて!」のお言葉通り、速い!速い!1本の角材から3分ほどで可愛らしい東京こけしが誕生します。撮影が間に合わなくなるほどの熟練の技をご覧ください。
東京こけしの素材
東京こけしの素材はミズキです。ミズキは、北海道、本州、四国、九州に分布する成長の早い樹木で、成長すると高さ10~18メートル、幹径10~50センチにもなり、下駄 ・玩具・箸などの他、箱根細工の寄せ木にも使われています。木目が目立たず木肌が白いので、絵が映えるところから選んだそう。
制作直後の東京こけしは白い木肌ゆえ、百合の花のような絵は木肌に馴染んで目立ちませんが、年数を経るとだんだん色が濃くなっていき、それに従って絵付けの白が浮かび上がってきます。ケヤキで作ったこともありましたが、やはり、絵の出方が全然違ってしまいます。試行錯誤の上、ミズキを使うことに決めました。
3分で生まれるこけし
百聞は一見。東京こけしが制作される様子をご覧ください。
1.角材をろくろにセットします。

2.角材の表面を丸ノミで円柱状に削っていきます。

3.小さい丸ノミで頭部の丸みを出していきます。

4.首を削っていき、同時に首飾りになる部分を作ります。

5.首飾りを胴の方から丸ノミで寄せ、平ノミで切り離します。

6.一瞬で首飾りが生まれます。2本のタイプも作れるそうです。

7.続いて、丸ノミで胴の丸みを出していきます。

8.髷(マゲ)の部分に平ノミを当てて切り離します。

9.こけしの木地が完成しました。この間わずか3分!

10.木地に絵付けを施します。

11.完成。右から2番目ができあがった直後の白い木肌。
時間を経るにつれ、味わい深い木色へと自然に変化していきます。

販売店
東京こけしは京王八王子駅から徒歩15分、本町2丁目の東京こけしハピネスリング様(東京こけし販売店)で販売しています。制作工程でご紹介した小サイズの他にも中と大、特大があり、携帯ストラップやキーホルダーや、高尾山でおなじみの天狗などの品揃えもあるそうです。
絵付けが手作業ゆえ、ご注文をいただいてから納品まで3か月ほどかかるそう。バックオーダーがいっぱいでお待たせしている状態です。10〜11月は「高尾山もみじまつり」が開催されるため、もみじの絵入りこけしを制作する繁忙期になります。もう少しお待たせするかもしれないとのこと。
お店で奥様が絵付けをしているところも見られます。お客様の幸せを願って、可愛らしい花を描き入れ続ける奥様。「できたら、悲しい用途には使わないでほしい」とおっしゃっていました。

「東京こけし」カタログ
東京こけし
男の子と女の子の2タイプがあります。
小サイズ630円、中サイズ1,050円、大サイズ2,100円、特大サイズ3,150円(すべて税込)

こけし携帯ストラップ・こけしキーホルダー
木肌を活かしたハピネスリングです。白い木肌のミズキと焦げ茶のケヤキの2種類。
両方とも735円(税込)

叶輪天狗(かなうわてんぐ)
高尾山の天狗にちなんで作られているこけし。ミズキを黒く染めています。
こちらにもハピネスリングが付いていますね。
小サイズ1,050円、中サイズ2,100円、大サイズ3,150円、特大サイズ5,250円(すべて税込)

虫の鉛筆削り(YouTubeの動画あり)
一見木の破片のようなカタチで、フタを開けると色とりどりの虫が入っています。
300円(税込)

子どもたちの寄せ書き
大蔵様は小学校の体験授業にも協力されています。お店の奥に貼られた寄せ書きは、子どもたちが送ってくれたものです。「一人に少しずつろくろを使わせてね。こけしができあがると歓声が湧くんだ」。子どもたちにとって良い思い出になったことは間違いありません。

夫婦一代
最近、弟子入り志願の若い方が訪ねてくることがあるそうです。残念ながら中国などの安い製品に押されて、職人が生き残れる余地が少ない日本。お弟子さんをとっても給料を払うことができません。仕事を持ちながらの趣味でやるならと、郊外の作業所で教えています。
東京こけしは、奥様か大蔵様のどちらかが倒れたら、店じまいするおつもりです。同じかたちにこけしを作れない、似たかたちに作れても同じ絵が描けない。他の人が名前を継ぐなら、それはそれで新しいこけしを作ってくれればいいとお考えです。後継者がいない東京こけし、夫婦一代の作品になってしまうのでしょうか。
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東京こけしがろくろから生み出される様子に感激した外人のお子さん。「いつかあなたと日本語で話せるようになりたい」と日本に留学。ある日、国元の親御さんから大蔵様に荷物が届いたそうです。中を開けると縞黒檀(しまこくたん)の木が1本入っていました。手紙を読むと「大変貴重だと言われた木をお送りします」。
「いや、うちは木工屋だから、黒檀(こくたん)ならいくらでもあるよとは言えなかった」と大蔵様。今でも作業所に大切に保管されています。気持ちがうれしかったんでしょうね。
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取材協力:東京こけしハピネスリング(〒192-0066 東京都八王子市本町2-11-12)
by u-t-r
| 2010-06-01 16:20
| 八王子見て歩記
