つぶやき/レアメタルリサイクル

レアメタルリサイクルin八王子
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八王子市内の駅や大学構内で最近よく見かける黄色いノボリと箱。ノボリにはかわいい虎のイラストと「小型家電をリサイクルしよう」のタイトルが描かれています。経済産業省と環境省が国家的な取り組みとして進めるレアメタルリサイクルモデル事業の資源回収ボックスです。
全国から選ばれた3地域で平成20年度にスタートし、平成21年度、新たにモデル事業を行う地域を公募した結果4地区が選ばれました。名古屋市および津島市、京都市、水俣市、東京都では、臨海副都心を擁する江東区と、学園都市八王子市の2地域で試験的に小型家電の回収が行われています。設置期間は平成21年11月15日から平成22年2月28日まで。

八王子市が選ばれた理由は何でしょう。経済産業省のHPで「実施概要」(PDF)を見ると、「人口密度が全国平均の8.8倍」、「大都市圏で若年層割合が高く20∼24歳の構成比が高い」ことが八王子市の特色としてあげられています。
八王子市役所様のお話しでは「八王子市は21の大学がある学園都市」であり、同時に「町会・自治会の組織率が高い」ことから、モデル事業を実施する条件に適していると考え、積極的に手を上げたそうです。意識高〜い!

レアメタルとは?
レアメタルと言われてもピンときませんよね。レアメタルとは、地球上の埋蔵量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出が困難な希少金属類を指します。埋蔵量としては金や銀などよりむしろ多いものの、精錬による濃縮に大きな手間がかかったり、産出地が偏在(中華人民共和国・アフリカ諸国・ロシア・南北アメリカ諸国など)しているのも特徴です。例えばタングステンは中国だけで90%以上の埋蔵量があり、バナジウムは南アフリカ、中国、ロシアの3か国で98%を占めます。

アメリカやスイスでは、第二次世界大戦直前より国家の非常事態に備えてレアメタルの国家備蓄を行っており、戦後になると、アフリカのレアメタル産出国の政情安定に対応するため、経済安全保障の立場から備蓄を進める国が増えました。我が国でも同様の理由で、供給停止などの障害に備えて平常時の消費量を基準に国家備蓄の42日分と民間備蓄の18日分、合計60日分の国内備蓄が独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構によって行われています。

なぜ小型家電を回収するか
特に携帯電話はその内部にレアメタルや貴金属を豊富に含み、有効にリサイクルすれば、需要のうち相当量をまかなえるようになるとの観測があることから「都市鉱山」とも呼ばれ、産業用の貴重な資源として再利用する動きが始まっています。
携帯電話を部品別に見ていくと、リチウムイオン電池に使われるリチウム、ICソケットやスイッチに使われるベリリウム、液晶パネルのバックライトに利用されるガリウム、スピーカーの磁性体となるストロンチウム、半導体内部には金など、まさにレアメタルの宝庫。

一般的にパソコンを除く小型家電製品、携帯電話やデジカメ、携帯用の音楽プレーヤーなどには、従来、回収・リサイクルの法的義務付けがなく、使用済みの小型家電が不燃ごみとして、鉄・アルミニウムを除いた有用な資源が回収されないまま埋立処分されています。
そこで、江東区・八王子市は東京都と連携して、経済産業省・環境省が実施する「使用済小型家電からのレアメタルリサイクルモデル事業」に参加し、小型家電製品の回収を実施することになりました。
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対象製品と回収ボックス設置場所
レアメタルリサイクルの回収対象製品は、以下の通りです。
15cm×25cm以下の家電製品。携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、小型ゲーム機、電卓、カーナビゲーション、携帯用の音楽プレーヤー・DVDプレーヤー・ラジオ・液晶テレビ、電子辞書など。
※充電器やイヤホンなどの付属品も同時に回収します。回収用ボックスにはカギをかけますが、携帯電話等の個人情報はあらかじめ消してから出してほしいとのことです。

回収ボックスの設置場所は市内51か所です。
市役所本庁2階市民ロビー、元八王子事務所、北野事務所、クリエイトホール、あったかホール、戸吹清掃工場、館清掃工場、戸吹不燃物処理センター、中央図書館、東浅川保健福祉センター、心身障害者福祉センター、長沼通所センター、各市民センター、道の駅八王子滝山、中央大学・明星大学駅(多摩モノレール)、スーパーアルプス楢原店・はざま店、ほかです。
※市内の大学キャンパス内にも回収ボックスを設置してあります。(各大学関係者のみ利用可)

他にも、イベント会場で回収ブースを設けたり、集団回収の登録団体(現在34団体)が回収を実施します。概略地図は以下の通り。詳しい設置場所は「使用済み小型家電をリサイクルしよう!」サイトをご覧ください。
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●「携帯電話を買い替えると、前の機種も手元に置いておくだろ」
○「ええ、私も住所や電話番号の控え用に取っておきます」
●「あれを自分で精錬したら?」
○「某携帯電話メーカーが試作機から回収してみたそうですよ」
●「どうだったんだ?」
○「5,000台から230gの金が採れたそうです」
●「そうか…」
○「思ったより儲からないでしょ?(笑)」
●「ダメか(苦笑)」

携帯電話5,000台で金230g、一見少なそうに感じるかもしれません。
本職の金山と比べてみましょう。世界で最も金産出量が多い南アフリカの金鉱で、金鉱石1トン当たりの金含有量は約5グラムほど。230gの金を採掘するには46トンも必要です。携帯電話の方は仮に1台100gとすると5,000台でもわずか500kg。46トン対500kg。いかに高品位であるか分かりますね。しかも地下の奥深くある金鉱脈に対し、市民の皆さんのご協力を得て町中の回収ボックスで回収可能な点も見のがせません。

小型家電製品には他にも希少なレアメタルが多く含有されています。「都市鉱山」の呼び名が伊達でないこと、お分かりいただけたでしょうか?後世「八王子金山」と呼ばれても恥ずかしくないレベル(笑)。

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取材協力:八王子市役所環境部ごみ減量対策課

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by u-t-r | 2009-12-01 17:28 | つぶやき

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「直接ご本人に会ってお話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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