八王子見て歩記/北大谷古墳(前編)
2018年 02月 06日
八王子の街中に古墳があった!
北大谷古墳(前編)
なんのへんてつもない八王子市大谷の住宅街の道、ひよどり山近くの丘陵地南側です。実はこの先に古墳があるのです。古代の権力者たちの墳墓といわれる古墳は、3世紀半ばから7世紀代にかけて築造されました。文化庁によると、全国では16万1,560基の古墳があるといわれます(平成13年3月末調べ)。中でも有名なのが仁徳天皇陵とされる「大仙陵古墳」。古墳最大長840メートル、古墳最大幅654メートルの巨大な前方後円墳です。八王子市にも古墳がないか調べてみたところ、伝承等を含めると12基の古墳が存在することが分かりました。中でも北大谷古墳は、多摩地域の有力古墳で、周辺の他の古墳を凌駕する規模であることが特徴です。「八王子に古墳があったのか!」と驚く同僚の声を背に、現地に行ってみることにしました。
「バイパス大谷」バス停へ
北大谷古墳の所在地は八王子市大谷町725。古墳は畑の中にあり、近くに駐車場がないそうなので今回はバスで行ってみることにしました。最寄りバス停は「八王子駅北口」から8停留所目の「バイパス大谷」です。西東京バス「バイパス経由宇津木台行き(バ01)」を利用して乗車時間約14分、運賃は200円です。
浅川を渡って街中を走ると間もなく「バイパス大谷」です。幅30cmもないような狭い路肩にバス停がありました。目の前を車がビュンビュン。
通り前は八王子住宅公園でした。
住宅街を抜けて畑地へ
「バイパス大谷」バス停から短い坂道を上がって住宅街へ入ります。
折り返して、さらに坂道を上がったところに二叉路があります。古墳は左のフェンスがある方の道です。
住宅街を抜けると、一転、田園風景になります。ここから先には民家がありません。12月半ば、快晴の暖かい日でした。
畑地の中のT字路。左に曲がって古墳を目指します。
道の先は森へ繋がっています。この方向で合っているんだろうか。だんだん不安になってきました。北大谷古墳周辺には案内標識がありません。
森を抜けて畑地の道をウロウロと
森の中の道に入りました。うっそうと茂っていて、見通しが利きません。古墳はいずこ…。
森を抜けました!
このあたりには、杭を打って仕切った草地があちこちにあります。郷土資料館様にお聞きしたところ、東日本大震災による市内避難者のための応急仮設住宅が建っていた場所でした。八王子市が把握している避難者の数は117世帯、主に福島県から避難された方たちだったそうです。仮設住宅は平成29年(2017年)3月に撤去されました。
古墳までの道はけっこう分かりにくいです。森を出たらフェンス沿いに左に曲がって、突き当たりを今度は右に曲がって…。歩いて行かれる方向けに、写真多めで道順をご案内します。
畑の脇を通って木立の中へ。右に植えてある樹は桜かしらね。
木立を抜けると、また見通しのいい畑地に出ます。
で、また右に曲がる…。スマホでナビを見ながら行くか、地図を印刷してこないと畑の迷路で迷子になりそう。実際に行った私が言うんだから間違いないです。
長ネギ畑の向こうに周囲よりちょっと小高い場所がありました。事前に調べた情報によると、北大谷古墳の大きさは、直径39m、高さ2.1mだそう。真っ平らな畑の中にあれば、遠くからでも見えるはず。あれかなぁ。
道なりに歩くと左にカーブしています。1本道です。
突き当たりがT字路になっていました。ここは右折です。
先に見える1本の樹が曲がる目印です。
樹がV字路の曲がり角です。向かって左が来た道、右が古墳方向の道です。
途中の二叉路は曲がらずに直進です。
北大谷古墳に到着
前方に木立と小高い丘が見えました。北大谷古墳です。
古墳の周囲はフェンスに囲まれています。高さは公園の盛り土くらい。仁徳天皇陵のイメージが強かったので、あれっ?なんて思っちゃいました。
「バイパス大谷」バス停から北大谷古墳までのルート
今回は西東京バス「バイパス経由宇津木台行き(バ01)で行ったので、今回行った「バイパス大谷」バス停から北大谷古墳までの徒歩ルートをご紹介しましょう。住宅地を抜け、畑地の中を合計8回曲がるコースです。写真を撮りながらゆっくり歩いて約20分でした。後編でご紹介しますが、古墳は小宮公園のすぐ近くなんです。(クリックで拡大)
後編では北大谷古墳の敷地内に入ってみます。
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さて、古墳を現代の建築技術で新築するとしたら、ご予算おいくら万円かかるんでしょうか?ネットを探したら日本最大の古墳「大仙陵古墳(仁徳天皇陵)」の試算がありました。昭和60年(1985年)に大林組様が算出したところによると、総工期15年8か月、総作業員数680.7万人、総工費796億円(昭和60年当時の貨幣価値)と見積もられたそうです。今年から工事をはじめても、完成するのは平成46年(2034年)かぁ。その前に元号が変わっちゃいますね。
※大林組プロジェクトチーム「現代技術と古代技術の比較による仁徳天皇陵の建設」『季刊大林第20号 王陵』大林組(1985年)
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取材協力:八王子市郷土資料館
北大谷古墳(全2話)
前編:八王子の街中に古墳があった!(当記事)
後編:北大谷古墳の発見と発掘調査
北大谷古墳(前編)
なんのへんてつもない八王子市大谷の住宅街の道、ひよどり山近くの丘陵地南側です。実はこの先に古墳があるのです。古代の権力者たちの墳墓といわれる古墳は、3世紀半ばから7世紀代にかけて築造されました。文化庁によると、全国では16万1,560基の古墳があるといわれます(平成13年3月末調べ)。中でも有名なのが仁徳天皇陵とされる「大仙陵古墳」。古墳最大長840メートル、古墳最大幅654メートルの巨大な前方後円墳です。八王子市にも古墳がないか調べてみたところ、伝承等を含めると12基の古墳が存在することが分かりました。中でも北大谷古墳は、多摩地域の有力古墳で、周辺の他の古墳を凌駕する規模であることが特徴です。「八王子に古墳があったのか!」と驚く同僚の声を背に、現地に行ってみることにしました。
「バイパス大谷」バス停へ
北大谷古墳の所在地は八王子市大谷町725。古墳は畑の中にあり、近くに駐車場がないそうなので今回はバスで行ってみることにしました。最寄りバス停は「八王子駅北口」から8停留所目の「バイパス大谷」です。西東京バス「バイパス経由宇津木台行き(バ01)」を利用して乗車時間約14分、運賃は200円です。
浅川を渡って街中を走ると間もなく「バイパス大谷」です。幅30cmもないような狭い路肩にバス停がありました。目の前を車がビュンビュン。
通り前は八王子住宅公園でした。
住宅街を抜けて畑地へ
「バイパス大谷」バス停から短い坂道を上がって住宅街へ入ります。
折り返して、さらに坂道を上がったところに二叉路があります。古墳は左のフェンスがある方の道です。
住宅街を抜けると、一転、田園風景になります。ここから先には民家がありません。12月半ば、快晴の暖かい日でした。
畑地の中のT字路。左に曲がって古墳を目指します。
道の先は森へ繋がっています。この方向で合っているんだろうか。だんだん不安になってきました。北大谷古墳周辺には案内標識がありません。
森を抜けて畑地の道をウロウロと
森の中の道に入りました。うっそうと茂っていて、見通しが利きません。古墳はいずこ…。
森を抜けました!
このあたりには、杭を打って仕切った草地があちこちにあります。郷土資料館様にお聞きしたところ、東日本大震災による市内避難者のための応急仮設住宅が建っていた場所でした。八王子市が把握している避難者の数は117世帯、主に福島県から避難された方たちだったそうです。仮設住宅は平成29年(2017年)3月に撤去されました。
古墳までの道はけっこう分かりにくいです。森を出たらフェンス沿いに左に曲がって、突き当たりを今度は右に曲がって…。歩いて行かれる方向けに、写真多めで道順をご案内します。
畑の脇を通って木立の中へ。右に植えてある樹は桜かしらね。
木立を抜けると、また見通しのいい畑地に出ます。
で、また右に曲がる…。スマホでナビを見ながら行くか、地図を印刷してこないと畑の迷路で迷子になりそう。実際に行った私が言うんだから間違いないです。
長ネギ畑の向こうに周囲よりちょっと小高い場所がありました。事前に調べた情報によると、北大谷古墳の大きさは、直径39m、高さ2.1mだそう。真っ平らな畑の中にあれば、遠くからでも見えるはず。あれかなぁ。
道なりに歩くと左にカーブしています。1本道です。
突き当たりがT字路になっていました。ここは右折です。
先に見える1本の樹が曲がる目印です。
樹がV字路の曲がり角です。向かって左が来た道、右が古墳方向の道です。
途中の二叉路は曲がらずに直進です。
北大谷古墳に到着
前方に木立と小高い丘が見えました。北大谷古墳です。
古墳の周囲はフェンスに囲まれています。高さは公園の盛り土くらい。仁徳天皇陵のイメージが強かったので、あれっ?なんて思っちゃいました。
「バイパス大谷」バス停から北大谷古墳までのルート
今回は西東京バス「バイパス経由宇津木台行き(バ01)で行ったので、今回行った「バイパス大谷」バス停から北大谷古墳までの徒歩ルートをご紹介しましょう。住宅地を抜け、畑地の中を合計8回曲がるコースです。写真を撮りながらゆっくり歩いて約20分でした。後編でご紹介しますが、古墳は小宮公園のすぐ近くなんです。(クリックで拡大)
後編では北大谷古墳の敷地内に入ってみます。
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さて、古墳を現代の建築技術で新築するとしたら、ご予算おいくら万円かかるんでしょうか?ネットを探したら日本最大の古墳「大仙陵古墳(仁徳天皇陵)」の試算がありました。昭和60年(1985年)に大林組様が算出したところによると、総工期15年8か月、総作業員数680.7万人、総工費796億円(昭和60年当時の貨幣価値)と見積もられたそうです。今年から工事をはじめても、完成するのは平成46年(2034年)かぁ。その前に元号が変わっちゃいますね。
※大林組プロジェクトチーム「現代技術と古代技術の比較による仁徳天皇陵の建設」『季刊大林第20号 王陵』大林組(1985年)
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取材協力:八王子市郷土資料館
北大谷古墳(全2話)
前編:八王子の街中に古墳があった!(当記事)
後編:北大谷古墳の発見と発掘調査
by u-t-r
| 2018-02-06 16:00
| 八王子見て歩記