八王子の公園/初冬の小宮公園
2017年 12月 26日
八王子の公園-第16話
初冬の小宮公園/八王子市大谷町・暁町
弁天池〜かわせみの小道〜ひよどり沢
初冬12月の雑木林はどんな風景になるのでしょう。里山の景色を今に残す小宮公園に行ってみました。初めて小宮公園に行ったのは3年前の平成27年(2015年)春5月。鮮やかな新緑の中、木道を歩いていったことを憶えています。木も草もなにもかもが芽吹いていて、花迷路にはたくさんの花たちが咲いていました。コナラやクヌギなどの落葉樹が多い雑木林は、冬になるとすべての葉を落として冬の陽が遊歩道に降り注ぐ、見通しのいい明るい道になります。時々、サン!サン!と音がするのは枯れ葉が落ちる音。小鳥たちのさえずりも聞こえなくなった静かな公園です。
大谷弁天池へ
春に来た時と違って、葉が全部落ちた雑木林の道です。見通しがよくなったので、入口からもう弁天池が見えてきました。
弁天池の水面には落ち葉がいっぱい。小宮公園は先に弁天様があり、後から公園になった経緯があります。天明の飢饉(1782年)の時に、ここを知行していた八王子千人同心頭の萩原氏が水田灌漑確保のために溜池を掘り、そこに弁財天を祀ったとも云い伝えられています。昔日の弁財天には縁日がたち、近郷近在から多くの参拝者が訪れて賑わいを見せていました。
かわせみの小道
小宮公園の見どころは、雑木林の中を通る長い木道です。(クリックで拡大)
大谷弁天池の外れからはじまる木道は「かわせみの小道」。
冬の陽が木道に長い影を落とします。
木道に沿うように大谷弁天池と公園最奥部の水源(ひよどり沢)を結ぶ大谷沢が流れています。落ち葉に隠れて分かりにくいでしょうか。八王子の山間部を歩いていて分かったことですが、川の上流端には必ず標識があります。そこから先は沢あつかい。沢とは渓流など地形を指すのではなく、川より小さい流れを意味するのですね。
こなら平
林の中にループ状に木道が一周する分岐が見えてきました。「かわせみの小道」と「こげらの小道」、「ほおじろの小道」が合流する「こなら平」です。このあたりまで車いすで散策することも可能なバリアフリールートになっています。
目指す「ひよどり沢」へは「こなら平」から左のルートです。途中の沢に橋が架かっていました。
みずき平
林の中にもうひとつループ状の分岐。こちらは「みずき平」です。「かわせみの小道」と「うぐいすの小道」、「しじゅうからの小道」が合流しています。この日は風もなく暖かな小春日和でした。
それにしても人が少ない。個人情報保護の観点から、お顔を写さないように気をつけているのですが、今日はここまで一人も会っていません。
木道に目を落とすと、踏み分け道ならぬ落ち葉分け道が。どなたかが通ったようです。
ひよどり沢
小宮公園の水源地である「ひよどり沢」もループになっています。「かわせみの小道」と「さんこうちょうの小道」「ひよどりの小道」の合流点です。
木道の向こうに「ひよどり沢」のデッキが見えてきました。周囲を雑木林に囲まれた谷地にある水源です。
枯れ葉が積もったデッキの上に望遠レンズを付けたカメラが1台。お聞きしたら野鳥を撮影しに来られた方でした。「なにか鳥は見つかりましたか?」と聞かれたものの、木道しか撮っていなかった私です。
竹のフェンスに囲まれたデッキの下は「東京名湧水」の水源です。重なりあった枯れ葉の中に湧水が見えました。小宮公園は、六本杉公園、片倉城跡公園、叶谷榎池、子安神社(中野山王)と並ぶ八王子市内の5か所の湧水のうちの1つで、東京の名湧水57選に選ばれています。ここの水源は水量が少なくて、いつもこんな感じです。(クリックで拡大)
「ひよどり沢」の木道を一周して、もうひとつの水源に木道を歩いて行きます。
水源涵養林から流れ出る湧水の方が水量がやや多いです。2つの水源から流れる沢が下流で合流して、「大谷弁天池」へ流れ込みます。
「ひよどり沢」は小宮公園の最深部に位置しており、木道の終点でもあります。(クリックで拡大)
木の実たち
12月ということもあり、さすがにもう花はありませんでしたが、大谷弁天池近くで鮮やかな紫色の実を結んでいた紫式部(ムラサキシキブ)を見つけました。紫色の実の清楚な美しさを、平安美女の「紫式部」にたとえた植物です。花言葉は「愛され上手」「上品」「聡明」「知性」「賢さ」。すばらしい!
公園内あちこちの木道沿いで見かけた百合の実。八王子の公園で百合といえば、長沼公園のヤマユリが有名ですが、小宮公園にも多くの百合が咲くようです。今度は9月頃に来てみよう。花言葉は「純潔」「純粋」「無垢」「威厳」。女王のよう。
真っ赤な実はガマズミ(莢蒾)。葉が全部落ちていたので、とっても目立ちます。長池公園でもよく見かけました。花言葉は「私を無視しないで」「無視したら私は死にます」。見たから!しっかり見たから!!
同じ公園でも季節が変わると、咲く花も変わります。四季折々の山野草が咲くのは、里山の再生を大きなテーマにしている八王子の公園の特徴です。
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初冬とタイトルに付けましたが、二十四節季の初冬とは、立冬(11/7)から小雪(11/22)までの期間を指します。撮影に行ったのは12月13日だったので、正確には大雪(12/7~12/21)と呼ぶべきなのでしょう。この時期になると九州地方でも初氷が張り、全国的に冬一色に。スキー場がオープンしたり、熊が冬眠に入るのもこの頃です。八王子では氷点下の朝が多くなります。
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第16話:初冬の小宮公園|弁天池〜かわせみの小道〜ひよどり沢(当記事)
小宮公園(全6話)
第10話:小宮公園-1|雑木林ホール
第10話:小宮公園-2|バリアフリールートで花の迷路へ
第10話:小宮公園-3|しろはらの小道から大谷弁天池へ
第10話:小宮公園-4|木道を通ってひよどり沢へ
第10話:小宮公園-5|ひよどり山へ通じる小道
第10話:小宮公園-6|雑木林を抜けて草地広場へ
八王子湧水巡り/小宮公園(全2話)
前編:大谷沢と大谷弁天池
後編:雑木林の谷地にある湧水
初冬の小宮公園/八王子市大谷町・暁町
弁天池〜かわせみの小道〜ひよどり沢
大谷弁天池へ
春に来た時と違って、葉が全部落ちた雑木林の道です。見通しがよくなったので、入口からもう弁天池が見えてきました。
小宮公園の見どころは、雑木林の中を通る長い木道です。(クリックで拡大)
冬の陽が木道に長い影を落とします。
林の中にループ状に木道が一周する分岐が見えてきました。「かわせみの小道」と「こげらの小道」、「ほおじろの小道」が合流する「こなら平」です。このあたりまで車いすで散策することも可能なバリアフリールートになっています。
林の中にもうひとつループ状の分岐。こちらは「みずき平」です。「かわせみの小道」と「うぐいすの小道」、「しじゅうからの小道」が合流しています。この日は風もなく暖かな小春日和でした。
小宮公園の水源地である「ひよどり沢」もループになっています。「かわせみの小道」と「さんこうちょうの小道」「ひよどりの小道」の合流点です。
12月ということもあり、さすがにもう花はありませんでしたが、大谷弁天池近くで鮮やかな紫色の実を結んでいた紫式部(ムラサキシキブ)を見つけました。紫色の実の清楚な美しさを、平安美女の「紫式部」にたとえた植物です。花言葉は「愛され上手」「上品」「聡明」「知性」「賢さ」。すばらしい!
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初冬とタイトルに付けましたが、二十四節季の初冬とは、立冬(11/7)から小雪(11/22)までの期間を指します。撮影に行ったのは12月13日だったので、正確には大雪(12/7~12/21)と呼ぶべきなのでしょう。この時期になると九州地方でも初氷が張り、全国的に冬一色に。スキー場がオープンしたり、熊が冬眠に入るのもこの頃です。八王子では氷点下の朝が多くなります。
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第16話:初冬の小宮公園|弁天池〜かわせみの小道〜ひよどり沢(当記事)
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第10話:小宮公園-1|雑木林ホール
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第10話:小宮公園-3|しろはらの小道から大谷弁天池へ
第10話:小宮公園-4|木道を通ってひよどり沢へ
第10話:小宮公園-5|ひよどり山へ通じる小道
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八王子湧水巡り/小宮公園(全2話)
前編:大谷沢と大谷弁天池
後編:雑木林の谷地にある湧水
by u-t-r
| 2017-12-26 16:00
| 八王子の公園