花と山野草/カラーの清流(11月)
2017年 02月 21日
カラーと湧水の水辺(11月)
カラーの清流/八王子市泉町
晩秋の叶谷榎池周辺を散策していると、街のあちこちの湧水の水辺には色々な野草が生えていました。そんな湧水の上流のとある場所にミズバショウのような水生植物が群生していました。よく見ると、結婚式のブーケなどに使われる高級花、カラーです。庭を横切って透明な湧水が流れていて、澄んだ水の中をたくさんの鯉たちが泳いでいました。
カラーの群生
湧水の水路にかかる小さな橋の上から撮りました。湧水の上流側にカラーの群生。水中に設置してあるフェンスは鯉の脱走防止のためでしょうね。
こちらは下流側。群生の中心は個人住宅のお庭の中にあり、両岸をたくさんのカラーが覆っています。
私有地なので入口に「無断立ち入り禁止」のチェーンがかかっています。おそるおそるインターホンを押したところ、ご主人が出てきてくださいました。撮影許可をいただくとともに、お話しをうかがってきました。
「あぁ、ここら辺はね。個人の敷地の中を川が流れているんです。個人所有の川というわけですね。私の家の場合は両岸が敷地内ですよ。」
清流を復活させる
「引っ越してきた頃はそれはもう汚いドブ川でして、不法投棄されたゴミがプカプカ浮いてるし、水底はヘドロ状になっててガスが湧いているような状態だったんですよ。これはひどいと思って、まずゴミを全部拾って処分しました。掃除が終わってから、大量の砂を底に敷き詰めたんです。砂を入れたものの、ヘドロがなくなるわけじゃないし、水質を浄化しようと思って植えたのが水生植物のカラーだったんです。(クリックで拡大)
「カラーが育って水がきれいになってきたなと思ったら、カラーの根を食い荒らすザリガニが増えてしまいました。そこで今度はザリガニを食べる鯉を放しました。やがて鯉たちがザリガニを駆逐してくれて、ようやくカラーが根付きました。」
「鯉たちはかみさんがエサを与えているうちにすっかり慣れてしまいました。水面をパチャパチャ叩くと寄ってくるんです。かみさんの時だけ(笑)。私がやっても寄ってきません。彼女は鯉の一匹ずつ名前を付けていまして、模様の特徴から全部見分けられるようです。」
「鯉の天敵はアライグマです。えぇ、このあたりに住んでいるんですよ。今までに何匹もやられました。花壇に残ったこの足跡がアライグマのものです。」
「カラーは根によって増えていくサトイモ科の植物です。大雨の後などで水量が増えると根が流されて下流で根付きます。そうしていつの間にか私の家を中心に泉町の水路にカラーの群生ができました。」
ホタルのころ
「鯉のほかにはホタルも育てていますよ。ホタルの幼虫はカワニナという淡水域に棲む細長い巻貝をエサにします。幸い、水源が近いのでカワニナを湧水で育てています。水中に沈めた白い貝殻をカワニナたちが食べるんです。夏になると庭をたくさんのホタルたちが飛び回ります。」
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カラーは高級せっけんのような、いい香りがする花です。以前、知人の娘さんの結婚式にカラーのウェディングブーケを贈ってあげたら喜ばれたそうです。普通は1本くらいですよね。残念ながら晩秋のこの時期にカラーの花は咲きません。これから冬になって水温が下がると葉の部分も一度全部枯れてしまいます。開花時期は毎年5月の連休のころだそう。春になるとようやく白い花を咲かせるんです。夏は夏で暑さに耐えられずにまた枯れてしまう儚いカラーの花。湧水の透明な流れの中に咲く景色はどんなでしょう。春になるのが楽しみです。
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カラーの清流/八王子市泉町
「カラーと湧水の水辺(11月)」(当記事)
「カラーが満開になりました(5月)」
カラーの清流/八王子市泉町
晩秋の叶谷榎池周辺を散策していると、街のあちこちの湧水の水辺には色々な野草が生えていました。そんな湧水の上流のとある場所にミズバショウのような水生植物が群生していました。よく見ると、結婚式のブーケなどに使われる高級花、カラーです。庭を横切って透明な湧水が流れていて、澄んだ水の中をたくさんの鯉たちが泳いでいました。
カラーの群生
湧水の水路にかかる小さな橋の上から撮りました。湧水の上流側にカラーの群生。水中に設置してあるフェンスは鯉の脱走防止のためでしょうね。
こちらは下流側。群生の中心は個人住宅のお庭の中にあり、両岸をたくさんのカラーが覆っています。
私有地なので入口に「無断立ち入り禁止」のチェーンがかかっています。おそるおそるインターホンを押したところ、ご主人が出てきてくださいました。撮影許可をいただくとともに、お話しをうかがってきました。
「あぁ、ここら辺はね。個人の敷地の中を川が流れているんです。個人所有の川というわけですね。私の家の場合は両岸が敷地内ですよ。」
清流を復活させる
「引っ越してきた頃はそれはもう汚いドブ川でして、不法投棄されたゴミがプカプカ浮いてるし、水底はヘドロ状になっててガスが湧いているような状態だったんですよ。これはひどいと思って、まずゴミを全部拾って処分しました。掃除が終わってから、大量の砂を底に敷き詰めたんです。砂を入れたものの、ヘドロがなくなるわけじゃないし、水質を浄化しようと思って植えたのが水生植物のカラーだったんです。(クリックで拡大)
「カラーが育って水がきれいになってきたなと思ったら、カラーの根を食い荒らすザリガニが増えてしまいました。そこで今度はザリガニを食べる鯉を放しました。やがて鯉たちがザリガニを駆逐してくれて、ようやくカラーが根付きました。」
「鯉たちはかみさんがエサを与えているうちにすっかり慣れてしまいました。水面をパチャパチャ叩くと寄ってくるんです。かみさんの時だけ(笑)。私がやっても寄ってきません。彼女は鯉の一匹ずつ名前を付けていまして、模様の特徴から全部見分けられるようです。」
「鯉の天敵はアライグマです。えぇ、このあたりに住んでいるんですよ。今までに何匹もやられました。花壇に残ったこの足跡がアライグマのものです。」
「カラーは根によって増えていくサトイモ科の植物です。大雨の後などで水量が増えると根が流されて下流で根付きます。そうしていつの間にか私の家を中心に泉町の水路にカラーの群生ができました。」
ホタルのころ
「鯉のほかにはホタルも育てていますよ。ホタルの幼虫はカワニナという淡水域に棲む細長い巻貝をエサにします。幸い、水源が近いのでカワニナを湧水で育てています。水中に沈めた白い貝殻をカワニナたちが食べるんです。夏になると庭をたくさんのホタルたちが飛び回ります。」
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カラーは高級せっけんのような、いい香りがする花です。以前、知人の娘さんの結婚式にカラーのウェディングブーケを贈ってあげたら喜ばれたそうです。普通は1本くらいですよね。残念ながら晩秋のこの時期にカラーの花は咲きません。これから冬になって水温が下がると葉の部分も一度全部枯れてしまいます。開花時期は毎年5月の連休のころだそう。春になるとようやく白い花を咲かせるんです。夏は夏で暑さに耐えられずにまた枯れてしまう儚いカラーの花。湧水の透明な流れの中に咲く景色はどんなでしょう。春になるのが楽しみです。
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カラーの清流/八王子市泉町
「カラーと湧水の水辺(11月)」(当記事)
「カラーが満開になりました(5月)」
by u-t-r
| 2017-02-21 16:00
| 花と山野草