私たちの会社/冬バージョン

もうすぐお正月
冬の八王子見て歩記

ついこの間、日影沢に春の山野草を撮りに行ったと思ったらもう年末です。まさに「光陰矢の如し」。原典は朱子の「偶成」という漢詩だとされているこの警句、全部書くとこうなるそうです。

少年老い易く学成り難し
一寸の光陰軽んずべからず
未だ覚めず池塘春草(ちとうしゅんそう)の夢
階前の梧葉(ごよう)已(すで)に秋声


起句の「少年」は「年若い僧」や「幼少にして出家し僧を目指している男児」を表しているそうですよ。少年だけでなく、大人になると時間が経つのがどんどん早くなるような気がいたします。

さて、冬のタイトルバックは左から、2年前の2014年に降った大雪の八王子市内、1月の今熊山登拝道と木漏れ日、小津町の旧正月行事「粟穂稗穂(アボヘボ)と十六繭玉(まゆだま)」です。
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写真左:大雪の八王子市内

23区内が雨でも八王子では雪の降ることがあります。雪国の方から見たら「な〜んだ」と思われるかもしれませんが、なにせ雪の備えがほとんどない東京のこと。融雪溝すら皆無なので除雪した雪は路肩に積むしかなく、特に積雪量が多かった高尾では1メートルを超えました。

大雪が降ったのは平成26年(2014年)2月14日。この日は前線を伴った低気圧が発達しながら本州の南岸を東北東に進み、15日未明から昼過ぎにかけて関東地方を通過したことにより、関東甲信越では前週の8日に続き2週連続で記録的な大雪になりました。八王子市の観測では15日午前4時時点で最大積雪量50.5cmを記録し、過去の最大積雪量44cm(昭和43年2月16日)の記録を更新しました。また、山間部では前週に降った雪の影響もあり1m以上の積雪になったとの情報も寄せられました。
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写真中:今熊山登拝道と木漏れ日

上川町の今熊神社は海抜505mの今熊山に抱かれたの谷間のお社です。春には周辺の山腹を色鮮やかなミツバツツジが美しく彩ります。初めてミツバツツジを見に行ったのは平成27年(2015年)1月。さすがにまだ早すぎて、ツジはまだツボミもつけていない状態でした。その後、同年4月に再度訪れて満開のミツバツツジを堪能してきました。

当初は今熊山山頂にあった今熊神社ですが、昭和17年(1942年)に御本殿が焼失し、昭和51年(1976年)現在地に再建されました。現在では登拝道として、下の御本殿から山頂まで山道で上がれます。ミツバツツジの花園を一望にできるのもこの場所。登拝道は岩がゴツゴツの急坂ですが、頂上からの眺めはみごとでした。写真は入口から5分のところ、山頂までは約30分の行程です、(クリックで拡大)
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写真右:「粟穂稗穂(アボヘボ)と十六繭玉(まゆだま)」

小津町は八王子市北西部にある緑豊かな区域で、里山を背景に民家が並び、古き良き時代の八王子を今に残します。写真は小津の旧家座敷に置かれた正月飾りです。俵、十六繭玉、若水で歳神様をお迎えします。

薪のようなお飾りはヌルデの木で米俵を模した「俵(たわら)」です。俵は2種類作り、畑に置くものは直径35cmほど、屋内に置くものはその3倍程度の大きさで、大きければ大きいほど良いとされました。
オレンジ色と白色の花が咲いているように見える枝は「十六繭玉(まゆだま)」。臼で米を粉に挽いて繭玉ダンゴを作り、1月14日に梅の木に飾り付けます。置く場所は恵比寿大黒様の前。繭玉は3種類で、ミカンがシナ種の黄色い繭を表し、ダンゴは日本原種と欧州種の白い繭を表します。カイコは一代交雑なので、毎年違う原種同士を交ぜて卵を産ませるところから種ごとに違う部屋で育てていました。それにちなんだ2種類の繭玉です。枝先の帽子状の繭玉は16個と数が決まっています。小津は水稲が栽培できなかったので陸稲の米で作っていました。16日に取り外し、餅を湯がいたりして食べました。
右端の水桶は「若水」です。大晦日の深夜0時に新年最初の水を汲み、これを若水と呼びました。正月三が日の間の煮炊きやお茶入れは若水だけ使って行います。(クリックで拡大)
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by u-t-r | 2016-12-27 16:00 | 私たちの会社

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「現地で直接お話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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