花と山野草/片倉つどいの森公園(6月)

街の公園に咲く山野草(6月)
片倉つどいの森公園/八王子市片倉町
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八王子みなみ野の住宅街にある「片倉つどいの森公園」は小比企丘陵の北側に位置し、片倉城址公園の300mお隣りの公園です。高台にあるだけに見晴らしのいい「芝生広場」と森に囲まれた「つどいの池」が見どころです。平成22年(2010年)に開園されただけあって、駐車場が2か所整備されており、車いすやベビーカーでも回れる公園でもあります。かつて八王子のあちこちに見られた雑木林が再現された「つどいの森」をはじめ、広さの割に山野草の種類が多いのがうれしい。

八王子みなみ野駅側入口

公園入口のフェンスから顔を出していたのはヒメジョオン(姫女苑)。ハルジオン(春紫苑)が4〜5月頃に咲くのに対して、ヒメジョオンは5〜8月とちょっと遅咲きです。花びらもハルジオンは糸のように細く、ヒメジョオンは幅がやや大きい。葉の切れ込みの数でも見分けがつきます。切れ込みが1か所しかないのがヒメジョオン。3か所がハルジオンです。いわゆる雑草ですが、見分け方を憶えているうちに愛着が湧いてしまいました。誰も見てくれなくても、野に街に可憐な花を咲かせます。花言葉は「素朴で清楚」。
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ムラサキカタバミ(紫片喰)は江戸時代末期に観賞用として導入された帰化植物で、原産地は南アメリカです。環境省により要注意外来生物に指定されている繁殖力の強い雑草ですが、花は鮮やかな紫色でこんなにきれい。花言葉は「喜び」「心の輝き」。由来はスペインやフランスではカタバミを「ハレルヤ」と呼ぶことから。
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こちらの黄色い花はカタバミです。一度根付くと絶やすことが困難であることが、「(家が)絶えない」に通じるとして、家運隆盛・子孫繁栄の縁起担ぎとして、長宗我部元親や徳川氏譜代の酒井氏などが家紋の図案に用いました。遡れば平安時代に車紋として使用された記録があるとか。花言葉は「輝く心」。
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木立の道

ツユクサ(露草)は「つき草」という名で万葉集にも登場する日本古来からの植物。元々は花弁の青い色が「着」きやすいことから「着き草」と呼ばれていたものと言われています。また、朝咲いた花が昼しぼむことが朝露を連想させることから「露草」と名付けられたという説もあります。小さな花びらに小さな虫が停まっていました。花言葉は「なつかしい関係」「わずかの楽しみ」「密かな恋」。なんと控えめな。
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タンポポに似た黄色い花を咲かせているのはブタナ(豚菜)、別名タンポポモドキ(蒲公英擬き)です。タンポポは1つの茎に1つの花をつけますが。ブタナは花茎が枝分かれして複数の花をつけるのが特徴です。元々はヨーロッパ原産で、日本では昭和8年(1933年)に北海道で最初に確認され、以後各地に広がりました。全部分が食用可能で、若葉はクセが少なく、サラダ、茹で野菜、揚げものなどに適しているそう。花言葉は「最後の恋」。あんなにたくさん花をつけてるのに意外!
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芝生広場

芝生広場一面に咲いていたシロツメクサ(白詰草)、別名クローバーです。原産地はヨーロッパで、名の由来は弘化3年(1846年)にオランダから献上されたガラス製品の包装に緩衝材として詰められていたことから。約1万分の1の割合で発生する四葉のクローバーの小葉は、それぞれ、希望・誠実・愛情・幸運を象徴しているそうです。花言葉は「約束」「私のものになって」「復讐」。げげ!「私のものになって」の「約束」を破ると「復讐」されちゃうんだ!
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クローバーの赤バージョン、アカツメクサ(赤詰草)はシロツメクサとともに牧草や肥料(緑肥・畑に鍬込んで肥料にする)用として明治以降に移入されたようです。若い葉や茎をはじめ、花も食用にもなります。でもさっきワンちゃんが歩いていたし…。花言葉は「勤勉」「実直」。
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花の中央部がエンジ色で、先端側が黄色い花はハルシャギク(波斯菊)。ハルシャ(波斯)とはペルシャ、つまり今のイランのこと。原産地は北アメリカでペルシャとは何の関係もありません。明治の初期に観賞用に導入されましたが、やがて荒地・路傍に野生化していきました。花言葉は「上機嫌」「陽気」「常に快活」「一目惚れ」「飾り気のない人」「新鮮で華やか」。なんだかラテン系。
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つどいの森

白い小花をたくさんつけたオカトラノオ(丘虎の尾)。長沼公園などでも観察できましたが、ぽつんと1本ずつ咲いていただけ。つどいの森では群生していました。芝生広場から入る森は、かつて八王子のあちこちにあった雑木林を再生したものです。里山に人の手が入らなくなって環境が変わってしまい、多くの山野草が希少な存在となりました。
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黄色い花をたくさんつけているのはニガナ(苦菜)。茎に苦味が多いところから名づけられました。ニガウリだって食べられるし、と思ってcookpadを調べたらレシピが載っていました。「ニガナの白和え」って沖縄の家庭料理なんですね。花言葉は「質素」。
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紫色の花弁に黄色いオシベがツンツンッと伸びているのはオオムラサキシキブ(大紫式部)。名の由来は平安時代の女性作家「紫式部」です。秋になると鮮やかな紫色の果実をつけます。花言葉は「上品」「聡明」。
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つどいの池

「つどいの池」は、「森のステージ」側が葦原になっています。風にそよぐ葉音がサラサラと気持ちいい。パスカルは「人間は考える葦である」と述べましたが、水質を浄化して、多くの生物の住処となる葦原は働き者です。不動産屋は動いてナンボのお仕事、「考える足」かもしれない。花言葉は「深い愛情」「音楽」「音」「神の信頼」「従順」「哀愁」「憂愁」「不謹慎」「後悔」。
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ネムノキ(合歓木)は日本・南アジア原産の落葉高木樹。小葉は触ったり、夜になると眠るように閉じてしまうことで知られています。絹糸のように長く伸びているのはたくさんの雄しべと1本の雌しべです。階段状になった「森のステージ」を上がると、花はすぐ目の前。花言葉は「歓喜」「胸のときめき」。
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八王子のあじさい公園(6月)の記事を書いた時に入れ忘れてしまいましたが、「片倉つどいの森公園」も園内3か所にアジサイが植えられています。来年の花の季節にまた来てみます。

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by u-t-r | 2016-10-18 16:00 | 花と山野草

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「現地で直接お話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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