花と山野草/醍醐林道(8月)

醍醐林道の山野草たち(8月)
八王子市上恩方町醍醐地区
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美山、小津、恩方、裏高尾、八王子の山間部は山野草の宝庫です。写真を撮って帰ってから名前を検索します。花のかたち、葉のかたち、茎の形状、よく似た植物の中から品種名を探すのも山歩きの楽しみのひとつ。丘陵と丘陵の間の谷地は場所ごとに植生が異なり、たとえばタカオスミレは高尾山周辺が一番多いようです。

龍神渕周辺

醍醐林道入口の擁壁に咲くツユクサ(露草)の花。万葉集では「月草」という名前で9首詠まれた花です。一見、花びらは一見2枚に見えますが、実はその下に小さな白い花びらがもう1枚。花言葉は「懐かしい関係」「僅かの楽しみ」「尊敬」。
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龍蔵神社と龍神渕を取材した時に行った醍醐林道では、龍神渕周辺で変わったアジサイを多く見かけました。西洋アジサイの場合は密集した小さなツボミをたくさんつけたまるでブロッコリのような形ですが、タマアジサイ(玉紫陽花)は芍薬によく似た球形です。
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開花する時はツボミが裂けるように開き…。すでに薄紫色に色づいていますね。
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装飾花は白色、両性花は紫色で、ガクアジサイによく似ていますがずっと小振りです。また、開花時期も西洋アジサイの5月〜7月ごろに対して、タマアジサイは7月から9月と遅咲きです。花言葉は「あなたは冷たい」。
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石垣の上で元気に咲いていたのはイタドリ(虎杖)。葉のかたちから何かの樹木の苗木と思いましたが、調べてみるとスカンポの別名がある山野草でした。若い茎は柔らかく、春ごろのタケノコのような新芽は皮をむいて山菜として食用になります。花言葉は「回復」「見かけによらない」。
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醍醐川上流端周辺

細い茎に小さなピンク色の可憐な花を沢山つけたヌスビトハギ(盗人萩)。細かなフックが実に生えていてマジックテープよろしく衣服に貼りつく「ひっつき虫」のひとつです。花言葉は「略奪愛」。
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陽の当たらない木立の中でひっそり咲くゴマナ(胡麻菜)。日本固有種です。ひょろ長い茎の先に菊に似た白い花がたくさん付くので、まるで森の中で花が浮かんでいるようにも見えます。和名の由来は葉が胡麻に似ていて、食べられる草であるというところから。花言葉は「上品」「実り」「丈夫」。
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タンポポのつぼみのような花はガンクビソウ(雁首草)。これで咲いている状態なんですよ。和名は煙管(キセル)の雁首に似ているところから。雁首とはキセルの頭の金属部分です。地味な花ですが全草が解熱、解毒、風邪、腹痛などのお薬になります。花言葉は「けなげ」。
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林道の路肩には濃いピンク色のつぼみを付けたミズヒキ(水引)。細い茎に紅白の花が咲くところから紅白の祝い水引にみたてて名づけられました。ミズヒキは生薬名を金線草(キンセンソウ)といい、鼻血や内出血などの止血、腰痛、胃痛の緩和する妙薬とされていたそうです。花言葉は「慶事」「祭礼」「感謝の気持ち」「喜び」「祝い」「寿」。
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ミズヒキから歩いてすぐの場所にキンミズヒキ(金水引)が咲いていました。こちらは黄色の花です。花の付き方が違いますよね。ミズヒキは蓼(たで)科、キンミズヒキはバラ科なんです。山野草は別の科の植物に同じ名前がつけることがよくあります。ほかに蓼科の白い花ギンミズヒキもあるそう。花言葉は「感謝の気持ち」「感謝の心」。
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一見、ヤマブキの花にも似たオオダイコンソウ(大大根草)。よく見ると花や葉のかたちがヤマブキと違います。日本では本州中部地方以北に分布しているので、四国や九州ご出身の方には珍しい植物かも。花言葉は「満ちた希望」「前途洋々」。
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醍醐川水源付近

カスミソウによく似た白い小さな花はマツカゼソウ(松風草)。枝先にたくさん白色の花をつける日本固有種です。こう見えてミカン科の属の一つで、ミカン科唯一の草本です。多摩丘陵では自生地が極めて限られていて個体数も多くありません。日当たりの悪い林床に咲くどこか遠慮がちで可憐な山野草です。花言葉は「倦怠期」「揺らめく恋心」。こんな可愛い花のどこが「倦怠期」?
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飲むと胃腸にすぐ効くところから付いた和名がゲンノショウコ(現の証拠)。ドクダミ、センブリなどとともに日本の民間薬の代表選手です。この花は白ですが赤紫色もあります。花言葉は「倦怠期」「揺らめく恋心」。
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上恩方の醍醐川沿いは、高留〜森久保〜降宿〜醍醐の全域でタマアジサイを楽しめます。他にも色々な山野草が咲き乱れるさまは、まさに八王子の秘境といった感じ。
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醍醐林道の山野草(当記事)

醍醐の龍神伝説(3話)
龍蔵神社「龍神様のお社」上恩方町降宿地区
龍神渕と醍醐林道-1「醍醐の龍神伝説と醍醐林道」上恩方町醍醐地区
龍神渕と醍醐林道-2「醍醐川上流端とばばころがし」上恩方町醍醐地区

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by u-t-r | 2015-11-03 16:00 | 花と山野草

UTR不動産です。八王子の歴史や暮らしをコツコツ取材しています。基本は「現地で直接お話しを聞く!」。地元の話題が多いですが、どうぞお付き合いのほどを。


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