八王子見て歩記/恩方ます釣り場(前編)
2014年 10月 14日
前編:恩方の自然の中で渓流釣り
恩方ます釣り場/八王子市上恩方町
仕事で陣場街道を行き来するたびに気になっていた場所がありました。それは恩方ブルーベリーの里近くで清流の流れを何段もせき止めた釣り場。看板には「北浅川 恩方ます釣り場」とあります、魚を釣る自然の釣り堀みたいな施設かしらん。ポケットが沢山ついてるベストを着た男性がたくさんいらっしゃるイメージ。平日は人影がほとんどないので確認するすべもありません。
それが8月の夏休み期間に入って、お子さん連れのご家族を見かけるようになりました。男の子だけではなく、女の子やお母さんたちも釣りを楽しんでいるご様子。あれなら私にもできるかもと思って、恩方ます釣り場をお訪ねすることにしました。魚、たくさん持って帰れるかな。
恩方ます釣り場と北浅川
1級河川多摩川の支流である北浅川は、高尾山のお隣り陣馬山の麓を流れる清流です。自然溢れる恩方は湧き水が豊富で、北浅川にも透明できれいな水が流れ込んでいます。陣馬街道で大きなカーブを曲がったすぐ先に見えてくるのが恩方ます釣り場。
この釣り場は恩方漁業協同組合が管理しています。海や湖がない八王子に漁業協同組合?いえいえ、川も立派な漁業資源。稚魚の育成や放流、自然環境の保護にはどうしても人手と費用が必要になってくるんです。
無料の専用駐車場
恩方ます釣り場の入口は川にかかる白い橋です。バスの場合は「力石バス停」下車徒歩2分。お車の方は橋を渡ったすぐ先に専用駐車場があります。カーブを曲がったらすぐなので、通り過ぎてしまわないよう注意しましょう。
目印は「恩方ます釣り場」の黄色い看板です。
橋を渡って左側にます釣り場の受付がある入場口、右側が屋根付きのバーベキュー場、道なりにまっすぐが駐車場です。ちなみにこの橋の名は「日影河原橋(ひかげかわらはし)」といいます。
専用駐車場は無料で、50台以上が駐車可能です。
駐車場入口に案内板がありました。営業時間は午前8時から午後4時半までで、入漁料お一人様3,250円(ルアーとフライは3,750円)。10尾までは無料で、それ以上は1尾増すごとに250円で持ち帰れます。もし釣れなくても大丈夫。おひとり5匹まで保証してくださるそうです。その場合はスタッフが養魚池からお魚を持ってきてくれます。開場時間が朝8時と早いのは、夏場は水温が上がると釣れにくくなるからだそう。(クリックで拡大)
受付棟
入場口を入ると正面が受付。左手前の建物は水道がある洗い場で、釣った魚を捌いたりバーベキューの食材を洗えます。
ここで入漁料を払って、ます釣り場に降ります。
高尾駅行きバスの時刻表が貼ってありました。1時間に1本です。
受付は入漁料金のお支払いとともに、釣り竿のレンタル、釣り餌やバーベキュー用品の販売もしています。薪や炭、鉄板などがありますので、持ってこなくても大丈夫。
受付のすぐ隣りに洗い場があります。まな板や包丁、ぬめりをとるための塩などが常備されています。ここは釣った魚をスタッフがさばいてくれる場所。ワタ抜きやウロコ取りなんて普通の女性にできないし。
受付の右側に竿の返却場があります。釣り終わった竿は戻しておきましょう。
上に乗っているカゴの中身を見てみると…。浮きや針など釣り竿の仕掛けでした。戻ってきた竿をスタッフの方がメンテしていたんですね。
ゴミは基本的に持ち帰るのが恩方ます釣り場のルールです、飲み物のペットボトルや缶だけは分別回収してもらえます。
唯一の喫煙場がこちら。
休憩室とトイレ
トイレは受付棟の奥にあります。入口は受付横のドアから。
廊下をまっすぐ進みます。
大きなテーブルが4卓ある休憩室。お昼を食べたり、荷物を整理するのに便利です。
飲み物も売っています。この日置いてあったのは、ノンアルコールビール、緑茶、ウーロン茶、缶コーヒー、サイダー、スポーツドリンク、缶ジュース、カルピスソーダの8種類。季節により品揃えが変わるそうです。(クリックで拡大)
トイレ入口は休憩室の奥です。
男女別の清潔な水洗トイレ。裏口から直接入ることもできます。女性が釣り場で困ってしまうことのひとつにトイレの有る無しがあります。ここなら安心してお子さんと遊びに行けますね。
釣り場
釣り場への降り口は3か所あります。「降り口-1」はトイレの近く。「降り口-2」は受付棟と水道の近く。(クリックで拡大)
「降り口-3」はバーベキュー小屋の近くです。
釣り場はエサ釣りの一般釣り場と、ルアー・フライ釣り場の2つに分かれています。上流〜中流の段々のある場所が一般釣り場。下流はルアー・フライ釣り場です。
上流の堰までが一般釣り場になります。
釣り場は一見、石ゴロゴロの河原に見えますが、ユンボでよくつき固めてあるのでまるで舗装路のようにカチカチ。お子さんが歩いても転ぶ心配がなさそうです。
レッツ!フィッシィング!
さて、釣りはじめますか。入漁料3,250円のモトをとらねば!この日は小さなお子さん連れのご家族が多かったです。女の子ちゃんを3人連れた若いお母様、向こうには小さな息子さん連れのお父様。いいところを見せなくっちゃ!
「竿はこう持って、浮きをよく見てだな…」。このお父さん、とってもお上手で10匹以上釣り上げていました。
「お母さんが釣れたらねー。私がこうやってこうやって網ですくうの」。悪戦苦闘中のお母さま。
もう少し大きいお兄ちゃんたち。真剣な表情です。
川の流れを岩で段々畑のようにせき止めているので、まるで小さな釣り堀が連続しているよう。思い思いに自分の気に入った場所で釣ることができるんです。
私もさっそく釣り糸を垂らしてみました。レンタルした竹竿は、川の中ほどまで無理なく届くちょうどいい長さ。釣り餌は小さなタッパー入りのブドウ虫です。
流れのちょうど真ん中あたりに大きな石があって、そこに魚が群れていました。魚のいる場所に糸を垂らします。オレンジ色の浮きが見えるでしょうか。
これがまぁ釣れないこと!「見える魚は釣れない」というのは本当ですね。こっち(人間)側から見えるということは、魚からも見えるわけですから。
1匹も釣れないことを「ぼうず」と言うそうです。お坊さまの頭には毛がない=魚っけがない。うまいこと言うもんだ。見かねたスタッフの方がアドバイスしてくれました。餌の付け方、釣る場所によって浮きと針の間を長くすること。「上流の堰に行ってみたら?」と言われて素直に…。
なんということでしょう!言われた通りの場所に糸を垂らしたら、10分で5匹も釣れたではありませんか!浮きがヒョイッと沈んで、当たりがググッとくる。夢中で竿を上げたらスタッフが取り込んでくれました。釣れた魚は網に入れて、水につけておきましょう。
洗い場の裏から釣り場を見守るスタッフ。こんな感じで釣りをする人たちを心配してくれています。アットホームな雰囲気のます釣り場でした。
魚が針を飲み込んで外せなくなった時は気軽に外してくれます。受付でも「針はずし」を売っています。1個200円。
交通アクセス
公共交通機関で来られる方
最寄り駅は「JR高尾駅」か京王線「京王高尾駅」で、北口から西東京バス「陣馬高原行き」に乗って乗車時間およそ30分。「力石バス停」下車2分で到着します。1時間に1本しかない路線なので、バス時刻表を確認しましょう。
→高尾駅北口発 陣馬高原行き時刻表
お車をご利用の方
圏央道八王子西IC→都道61号線(山田宮の前線)を右折→川原宿交差点(右折)→都道521号線(陣馬街道)を直進5km。
※八王子西ICよりおよそ15分。
※圏央道八王子西ICでは青梅方面からの利用ができませんのでご注意ください。
→恩方ます釣り場GoogleMap
これで釣りはおしまい。あとはバーベキューを楽しむことにします。後編はバーベキューのお話しです。
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恩方といえば、松姫さまが逃避行で歩かれた道です。武田氏滅亡でからくも甲斐の国を逃れた松姫さまは、案下峠(今の和田峠)を越えて上恩方の里にたどり着きました。一時期お住まいになった金照庵のあった場所は、今では恩方第二小学校となっています。仏門に入られた心源院だけは現存し、恩方ます釣り場に通じる都道521号線(陣馬街道)と都道61号線(山田宮の前線)の交差点近くにあります。
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取材協力:北浅川恩方ます釣場
恩方ます釣り場(2話)
前編:恩方ます釣り場「恩方の自然の中で渓流釣り」(当記事)
後編:恩方ます釣り場「炭火でバーベキュー」
恩方ます釣り場/八王子市上恩方町
仕事で陣場街道を行き来するたびに気になっていた場所がありました。それは恩方ブルーベリーの里近くで清流の流れを何段もせき止めた釣り場。看板には「北浅川 恩方ます釣り場」とあります、魚を釣る自然の釣り堀みたいな施設かしらん。ポケットが沢山ついてるベストを着た男性がたくさんいらっしゃるイメージ。平日は人影がほとんどないので確認するすべもありません。
それが8月の夏休み期間に入って、お子さん連れのご家族を見かけるようになりました。男の子だけではなく、女の子やお母さんたちも釣りを楽しんでいるご様子。あれなら私にもできるかもと思って、恩方ます釣り場をお訪ねすることにしました。魚、たくさん持って帰れるかな。
恩方ます釣り場と北浅川
1級河川多摩川の支流である北浅川は、高尾山のお隣り陣馬山の麓を流れる清流です。自然溢れる恩方は湧き水が豊富で、北浅川にも透明できれいな水が流れ込んでいます。陣馬街道で大きなカーブを曲がったすぐ先に見えてくるのが恩方ます釣り場。
この釣り場は恩方漁業協同組合が管理しています。海や湖がない八王子に漁業協同組合?いえいえ、川も立派な漁業資源。稚魚の育成や放流、自然環境の保護にはどうしても人手と費用が必要になってくるんです。
無料の専用駐車場
恩方ます釣り場の入口は川にかかる白い橋です。バスの場合は「力石バス停」下車徒歩2分。お車の方は橋を渡ったすぐ先に専用駐車場があります。カーブを曲がったらすぐなので、通り過ぎてしまわないよう注意しましょう。
目印は「恩方ます釣り場」の黄色い看板です。
橋を渡って左側にます釣り場の受付がある入場口、右側が屋根付きのバーベキュー場、道なりにまっすぐが駐車場です。ちなみにこの橋の名は「日影河原橋(ひかげかわらはし)」といいます。
専用駐車場は無料で、50台以上が駐車可能です。
駐車場入口に案内板がありました。営業時間は午前8時から午後4時半までで、入漁料お一人様3,250円(ルアーとフライは3,750円)。10尾までは無料で、それ以上は1尾増すごとに250円で持ち帰れます。もし釣れなくても大丈夫。おひとり5匹まで保証してくださるそうです。その場合はスタッフが養魚池からお魚を持ってきてくれます。開場時間が朝8時と早いのは、夏場は水温が上がると釣れにくくなるからだそう。(クリックで拡大)
受付棟
入場口を入ると正面が受付。左手前の建物は水道がある洗い場で、釣った魚を捌いたりバーベキューの食材を洗えます。
ここで入漁料を払って、ます釣り場に降ります。
高尾駅行きバスの時刻表が貼ってありました。1時間に1本です。
受付は入漁料金のお支払いとともに、釣り竿のレンタル、釣り餌やバーベキュー用品の販売もしています。薪や炭、鉄板などがありますので、持ってこなくても大丈夫。
受付のすぐ隣りに洗い場があります。まな板や包丁、ぬめりをとるための塩などが常備されています。ここは釣った魚をスタッフがさばいてくれる場所。ワタ抜きやウロコ取りなんて普通の女性にできないし。
受付の右側に竿の返却場があります。釣り終わった竿は戻しておきましょう。
上に乗っているカゴの中身を見てみると…。浮きや針など釣り竿の仕掛けでした。戻ってきた竿をスタッフの方がメンテしていたんですね。
ゴミは基本的に持ち帰るのが恩方ます釣り場のルールです、飲み物のペットボトルや缶だけは分別回収してもらえます。
唯一の喫煙場がこちら。
休憩室とトイレ
トイレは受付棟の奥にあります。入口は受付横のドアから。
廊下をまっすぐ進みます。
大きなテーブルが4卓ある休憩室。お昼を食べたり、荷物を整理するのに便利です。
飲み物も売っています。この日置いてあったのは、ノンアルコールビール、緑茶、ウーロン茶、缶コーヒー、サイダー、スポーツドリンク、缶ジュース、カルピスソーダの8種類。季節により品揃えが変わるそうです。(クリックで拡大)
トイレ入口は休憩室の奥です。
男女別の清潔な水洗トイレ。裏口から直接入ることもできます。女性が釣り場で困ってしまうことのひとつにトイレの有る無しがあります。ここなら安心してお子さんと遊びに行けますね。
釣り場
釣り場への降り口は3か所あります。「降り口-1」はトイレの近く。「降り口-2」は受付棟と水道の近く。(クリックで拡大)
「降り口-3」はバーベキュー小屋の近くです。
釣り場はエサ釣りの一般釣り場と、ルアー・フライ釣り場の2つに分かれています。上流〜中流の段々のある場所が一般釣り場。下流はルアー・フライ釣り場です。
上流の堰までが一般釣り場になります。
釣り場は一見、石ゴロゴロの河原に見えますが、ユンボでよくつき固めてあるのでまるで舗装路のようにカチカチ。お子さんが歩いても転ぶ心配がなさそうです。
レッツ!フィッシィング!
さて、釣りはじめますか。入漁料3,250円のモトをとらねば!この日は小さなお子さん連れのご家族が多かったです。女の子ちゃんを3人連れた若いお母様、向こうには小さな息子さん連れのお父様。いいところを見せなくっちゃ!
「竿はこう持って、浮きをよく見てだな…」。このお父さん、とってもお上手で10匹以上釣り上げていました。
「お母さんが釣れたらねー。私がこうやってこうやって網ですくうの」。悪戦苦闘中のお母さま。
もう少し大きいお兄ちゃんたち。真剣な表情です。
川の流れを岩で段々畑のようにせき止めているので、まるで小さな釣り堀が連続しているよう。思い思いに自分の気に入った場所で釣ることができるんです。
私もさっそく釣り糸を垂らしてみました。レンタルした竹竿は、川の中ほどまで無理なく届くちょうどいい長さ。釣り餌は小さなタッパー入りのブドウ虫です。
流れのちょうど真ん中あたりに大きな石があって、そこに魚が群れていました。魚のいる場所に糸を垂らします。オレンジ色の浮きが見えるでしょうか。
これがまぁ釣れないこと!「見える魚は釣れない」というのは本当ですね。こっち(人間)側から見えるということは、魚からも見えるわけですから。
1匹も釣れないことを「ぼうず」と言うそうです。お坊さまの頭には毛がない=魚っけがない。うまいこと言うもんだ。見かねたスタッフの方がアドバイスしてくれました。餌の付け方、釣る場所によって浮きと針の間を長くすること。「上流の堰に行ってみたら?」と言われて素直に…。
なんということでしょう!言われた通りの場所に糸を垂らしたら、10分で5匹も釣れたではありませんか!浮きがヒョイッと沈んで、当たりがググッとくる。夢中で竿を上げたらスタッフが取り込んでくれました。釣れた魚は網に入れて、水につけておきましょう。
洗い場の裏から釣り場を見守るスタッフ。こんな感じで釣りをする人たちを心配してくれています。アットホームな雰囲気のます釣り場でした。
魚が針を飲み込んで外せなくなった時は気軽に外してくれます。受付でも「針はずし」を売っています。1個200円。
交通アクセス
公共交通機関で来られる方
最寄り駅は「JR高尾駅」か京王線「京王高尾駅」で、北口から西東京バス「陣馬高原行き」に乗って乗車時間およそ30分。「力石バス停」下車2分で到着します。1時間に1本しかない路線なので、バス時刻表を確認しましょう。
→高尾駅北口発 陣馬高原行き時刻表
お車をご利用の方
圏央道八王子西IC→都道61号線(山田宮の前線)を右折→川原宿交差点(右折)→都道521号線(陣馬街道)を直進5km。
※八王子西ICよりおよそ15分。
※圏央道八王子西ICでは青梅方面からの利用ができませんのでご注意ください。
→恩方ます釣り場GoogleMap
これで釣りはおしまい。あとはバーベキューを楽しむことにします。後編はバーベキューのお話しです。
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恩方といえば、松姫さまが逃避行で歩かれた道です。武田氏滅亡でからくも甲斐の国を逃れた松姫さまは、案下峠(今の和田峠)を越えて上恩方の里にたどり着きました。一時期お住まいになった金照庵のあった場所は、今では恩方第二小学校となっています。仏門に入られた心源院だけは現存し、恩方ます釣り場に通じる都道521号線(陣馬街道)と都道61号線(山田宮の前線)の交差点近くにあります。
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取材協力:北浅川恩方ます釣場
恩方ます釣り場(2話)
前編:恩方ます釣り場「恩方の自然の中で渓流釣り」(当記事)
後編:恩方ます釣り場「炭火でバーベキュー」
by u-t-r
| 2014-10-14 16:00
| 八王子見て歩記