八王子見て歩記/校内コンサート
2009年 10月 27日
小学校のコンサート
ひょんなご縁から校内音楽鑑賞教室に参加させていただきました。場所は八王子市立第四小学校の体育館。写真は開演30分前の様子です。後ろの方に父母席が見えますが、子どもたちはまだ入場前。がらんとした空間に調律師さんが弾くピアノの音色が響いていました。
子どもたちが楽器を演奏するコンサートかって?
いえいえ全然違うんです。
ロシアからのお客様
この演奏を聴くと自然に涙が浮かんできてしまいそうになります。感受性豊かな子どもたちにとっても、本物の芸術と触れ合えた貴重な体験になると思いました。大人も子どももうっとり演奏に聴きほれています。
少女たちから送られた花束をピアノに置いて
ひょんなご縁から校内音楽鑑賞教室に参加させていただきました。場所は八王子市立第四小学校の体育館。写真は開演30分前の様子です。後ろの方に父母席が見えますが、子どもたちはまだ入場前。がらんとした空間に調律師さんが弾くピアノの音色が響いていました。
子どもたちが楽器を演奏するコンサートかって?
いえいえ全然違うんです。
ロシアからのお客様
掲げられていたタイトルは「校内音楽鑑賞教室 パーヴェル・ネルセシアン ピアノリサイタル」。演奏者はなんと!ロシアから来日中の、世界的なピアニストであり、国立モスクワ音楽院教授でもあるパーヴェル・ネルセシアン氏。作曲家の意図を正確に表現できる技術を持った数少ない演奏者としても国際的に著名な方です。10月16日に八王子市芸術文化会館いちょうホールのピアノリサイタルに出演されるため来日中で、市内小中学校2校でボランティアの演奏会を開きます。この日は八王子市立第四小学校の子どもたちのためにピアノを弾いてくださる事になりました。
定刻10分前には、子どもたちが各自の椅子を持って集まってきました。下級生は最前列、上級生ほど後列に席をとっていきます。全員が着席すると、まず、先生からコンサートを鑑賞する心構えのお話がありました。「温かい拍手を送りましょう」と最後に拍手のしかたも練習します。子どもにとってなじみが薄いクラシック、1時間聴いていられるかしら。
続いて岡島校長先生のお言葉。ロシアから来てくださったお客様のためにロシア語で挨拶しましょうと子どもたちに呼びかけられました。"Добрый день(ドーブルイ ディェン)"、「こんにちは」という意味だそうです。
後ろのスクリーンに映った最前列の1年生たち、背筋を伸ばして緊張した面持ち。
演奏開始
定刻10分前には、子どもたちが各自の椅子を持って集まってきました。下級生は最前列、上級生ほど後列に席をとっていきます。全員が着席すると、まず、先生からコンサートを鑑賞する心構えのお話がありました。「温かい拍手を送りましょう」と最後に拍手のしかたも練習します。子どもにとってなじみが薄いクラシック、1時間聴いていられるかしら。
続いて岡島校長先生のお言葉。ロシアから来てくださったお客様のためにロシア語で挨拶しましょうと子どもたちに呼びかけられました。"Добрый день(ドーブルイ ディェン)"、「こんにちは」という意味だそうです。
後ろのスクリーンに映った最前列の1年生たち、背筋を伸ばして緊張した面持ち。
演奏開始
ボランティアの方の通訳が終わって、ネルセシアン氏の演奏が始まりました。
この日、彼が子どもたちのために選んだ曲目は以下のとおりです。
・アベッグ変奏曲 作品1(シューマン)
・月光の曲 ソナタ作品27-2第一楽章(ベートーベン)
・トルコ行進曲 ソナタK.331第三楽章(モーツァルト)
・子犬のワルツ 作品64-1(ショパン)
・ラ・ヴァルス(ラヴェル)
最初の曲目は「アベッグ変奏曲 作品1」。いや、これは実際に聴いてみないと伝わらないと思いました。ネルセシアン氏のピアノ、繊細なタッチでありながら演奏がすごく速いんです。ピアニシモの部分も正確にスピード豊かに打鍵しています。どんな運指をされているんでしょう。まるで鍵盤上に手が4本あるかのよう。一瞬にして会場が静まりかえります。
ムーンライト・ソナタ
この日、彼が子どもたちのために選んだ曲目は以下のとおりです。
・アベッグ変奏曲 作品1(シューマン)
・月光の曲 ソナタ作品27-2第一楽章(ベートーベン)
・トルコ行進曲 ソナタK.331第三楽章(モーツァルト)
・子犬のワルツ 作品64-1(ショパン)
・ラ・ヴァルス(ラヴェル)
最初の曲目は「アベッグ変奏曲 作品1」。いや、これは実際に聴いてみないと伝わらないと思いました。ネルセシアン氏のピアノ、繊細なタッチでありながら演奏がすごく速いんです。ピアニシモの部分も正確にスピード豊かに打鍵しています。どんな運指をされているんでしょう。まるで鍵盤上に手が4本あるかのよう。一瞬にして会場が静まりかえります。
ムーンライト・ソナタ
続いてベートーベンの名曲「月光の曲」。「月光」や「ムーンライト・ソナタ」の方が通りがいいかもしれません。日本人がよく知っているクラシックのひとつです。ネルセシアン氏はいったいどんな魔法を使っているのでしょう。ピアノ1台だけの演奏なのに、美しい月夜の情景がありありと目に浮かんできます。
澄み渡った漆黒の夜空、明るい、そう満月の光がこうこうとあたりを照らし出しています。月光に木々の輪郭が浮かび上がったシュヴァルツヴァルト(黒い森)、そして手前には、静かな湖にたゆたう波。ベートーヴェンが目の見えない少女のために月光の中で作ったという伝説を信じられるような気がします。
澄み渡った漆黒の夜空、明るい、そう満月の光がこうこうとあたりを照らし出しています。月光に木々の輪郭が浮かび上がったシュヴァルツヴァルト(黒い森)、そして手前には、静かな湖にたゆたう波。ベートーヴェンが目の見えない少女のために月光の中で作ったという伝説を信じられるような気がします。
この演奏を聴くと自然に涙が浮かんできてしまいそうになります。感受性豊かな子どもたちにとっても、本物の芸術と触れ合えた貴重な体験になると思いました。大人も子どももうっとり演奏に聴きほれています。
少女たちから送られた花束をピアノに置いて
プログラムは進み、絢爛豪華な雰囲気の「ラ・ヴァルス」に移りました。技術的な難易度が極めて高い曲ですが、ネルセシアン氏はいともたやすく弾きこなしていきます。ピアニッシモが淡々と続くかと思われた中、音色の変化でいきなり場面転換。まるで物語を奏でるような豊かな表現です。
ここで第四小学校の女子児童から花束贈呈。うれしそうにピアノの片隅に置いて、「エリーゼのために」などリクエストが多かった曲を最後に何曲かプレゼントしてくれました。
リサイタルが終わって
ここで第四小学校の女子児童から花束贈呈。うれしそうにピアノの片隅に置いて、「エリーゼのために」などリクエストが多かった曲を最後に何曲かプレゼントしてくれました。
リサイタルが終わって
あっという間の1時間が終わり、お別れの時間がやってきてしまいました。世界的なピアニストの演奏を鑑賞できたことは、子どもたちにとってかけがいのない経験になったことは間違いありません。
挨拶とともにネルセシアン氏が聴衆に一礼。子どもたちは割れんばかりの温かい拍手でお礼の気持ちを伝えます。そうか、きみたち、先生から「演奏中は手をあげてはいけないよ」と言われておとなしくしていたんだっけ。
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はじまる前は、子どもたちがおとなしく聴いていられるかちょっと心配していたのですが、最後まできちんと席について演奏を楽しんでいてくれました。ネルセシアン氏は「ロシアの子供たちより、とてもお行儀が良かった」という言葉を残していかれたそうです。
あ!
"Добрый день(ドーブルイ ディェン)"を言い忘れちゃいましたね!
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取材協力:八王子市立第四小学校
挨拶とともにネルセシアン氏が聴衆に一礼。子どもたちは割れんばかりの温かい拍手でお礼の気持ちを伝えます。そうか、きみたち、先生から「演奏中は手をあげてはいけないよ」と言われておとなしくしていたんだっけ。
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はじまる前は、子どもたちがおとなしく聴いていられるかちょっと心配していたのですが、最後まできちんと席について演奏を楽しんでいてくれました。ネルセシアン氏は「ロシアの子供たちより、とてもお行儀が良かった」という言葉を残していかれたそうです。
あ!
"Добрый день(ドーブルイ ディェン)"を言い忘れちゃいましたね!
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取材協力:八王子市立第四小学校
by u-t-r
| 2009-10-27 17:49
| 八王子見て歩記